おぶなより

世界平和の祈りに寄せて

146_原仏4

三 原始仏教聖典

以下に見ていく原始経典は、「阿含経(あごんきょう)」と呼ばれます。

いわゆる、原始仏教聖典です。

原始仏教を以降は、釈迦とその弟子達の仏教とします。(*1)

原始仏教聖典として残存するものは、パーリ語聖典と、これに相当する阿含経などの漢訳諸経典、および、サンスクリット聖典の断片です。(*2)

原始仏教聖典は、三つの部分にわけられ、「三蔵」と呼ばれます。

パーリ語聖典の三蔵は、以下の三つです。

(1)律蔵 出家修行者の戒律の規定とそれに関する説明。

(2)経蔵 釈迦と直弟子の教えで、以下の五つの集成書から成る。下記は、相当する漢訳経典。

1 長部(ディーガ・ニカーヤ)) 「長阿含経(ちょうあごんきょう)」

2 中部(マッジマ・ニカーヤ) 「中阿含経(ちゅうあごんきょう)」

3 相応部(サンユッタ・ニカーヤ) 「雑阿含経(ぞうあごんきょう)」

4 増支部(アングッタラ・ニカーヤ) 「増壱阿含経(ぞういちあごんきょう)」

5 小部(クッダカ・ニカーヤ) この小部は、十五の部分から成り、それには、「スッタニパータ」、「ダンマパタ」(法句経)、「ジャータカ」(釈迦の過去世物語)などを含む。

(3)論蔵 教義に関する論書の集成であり、律蔵や経蔵の中にある様々な観念や術語を論議している解説・注釈・研究です。(*3)

さらに、この三蔵以外の蔵外と呼ばれるものにも、パーリ語で多くの書がありますが、特に有名なのは、「ミリンダ王の問い」です。

これらの聖典は、幾世紀にもわたって逐次拡大成立、付加されたものです。

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(*1)中村さんは、正確を期すためか、学者さんとしての真摯な姿勢のためか、そのお人柄のためかはわかりませんが、前回の ( 145_原仏3 - おぶなより ) の(*1)で触れた南方の伝説云々といったように、かなり入り組んでお書きになるところが、ままあります。

ここでも、元本では、原始仏教聖典の教えについて、かなり細々とかかれていますが、結果としては、あまりこだわらない帰結にまとめられているように読み取れました。

元々、私は、お釈迦さんの基本的な考え方を探るために、とにかくその下地を少しでも作るべく、大まかな概要を把握することを目的としています。

結果として、基本的内容から外される、細かな事実まであれやこれやと書くと、かえってわかりにくくなり、混乱するおそれさえある、と考えます。

従って、独断と偏見で申し訳ないのですが、勝手ながら、枝葉末節と判断するものをバッサリと省き、結果として残される要点の把握だけに、努めたいと思います。

以降は、すべて、こうした書き方をしていきますので、あらかじめ、ご了承願います。

(*2)サンスクリット~古代インドの文章語。梵語
Sanskrit は、完成された語のこと。

梵語~ぼんご~サンスクリット語の中国・日本での呼び名。

(*3)・論書~これも、国語辞典と漢和辞典に出ていない。わかりません。

論議~ろんぎ~たがいに意見を述べ合って物事の道理をはっきりさせること。議論。

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①追記: 2024/04/09 03:15
②追記: 2024/04/09 03:17
③追記: 2024/04/09 03:19
〜訂正内容〜

上記複数回にわたり、本文を加筆・訂正しました。