おぶなより

世界平和の祈りに寄せて

154_原仏8ー4

三 出家

この部分は、書かれている分量が少ないせいもあるのかもしれませんが、私見ながら言わせてもらえば、事実関係に齟齬(そご。意見や物事が食い違っていること)があり、ちょっとわかりにくいです。

具体的には、こうです。

その前に、大まかな見取り図を書きます。

きわめて大雑把ですが、ご容赦下さい。

当時、北から順に釈迦族の国、コーサラ国、マガダ国という位置関係で、3 つの国がありました。

釈迦が出家して、修行者となり、マガダ国の王のビンビサーラ王に会った歴史的事実が出てきます。

その時に、ビンビサーラ王は、お釈迦さんが並々ならぬすぐれた修行者であることを察知しても、その出自はまだわからないように書かれています。

ならば、お釈迦さんが釈迦族の王子であることはわからないはずです。

王子にふさわしい、容貌と品格を備えていて、会うことができた訳ですから、近隣の王族関係者だとは推定できるでしょう。

しかし、ビンビサーラ王がマガダ国の王として、対立している隣国のコーサラ国の先、釈迦族の国の王子かどうかは、お釈迦さん自身がはっきり明言しない限りは特定できないはずです。

それにもかかわらず、ビンビサーラ王が、お釈迦さんに王に戻るように言い、その国は釈迦族の国であり、ビンビサーラ王のマガダ国と通じること(お釈迦さんに対して軍事・経済援助を申し出たこと)を言い出したのは、おかしくはありませんか?

どこの国の王子か確定できないのにもかかわらず、軍事・経済援助を申し出るのは。

ここでは、ビンビサーラ王が、釈迦族の国の王子であるお釈迦さんに、軍事・経済援助をすることで、コーサラ国を挟み撃ちしようとすると考えるなんて。

おかしくはありませんか?

なぜならば、ビンビサーラ王は、お釈迦さんに対して、以下のように言っているからです(段落分けなどの改変あり)。

「象の群を先頭とする精鋭な軍隊を整えて、私はあなたに財を与えよう。
それを享受なさい。
私はあなたの生まれを問う。
これを告げなさい」

(四二一)

つまり、私はあなたの生まれは知らない、王子であろうとは思うが、どこの国の王子かはわからない、しかし、軍事・経済援助はしよう。

ちぐはぐで、おかしくないですか、これは。

だから・・・。

書きたいんですが、ちょっと不確定要因が多いので、書きたくないんです。

書くとすれば、仮定をいくつか立てて、書きわけなければならなくなるからです。

ですので、この部分はいずれ、周辺を調べて、めどがついたら、書き直したいと思います(または、放置するかもしれません。悪しからず)。

ご容赦下さい。

このままでは、ここに書かれているように単純な形で、お釈迦さんが世俗的な誘惑を断ち切って、ビンビサーラ王の申し出を固辞したとは、書きにくいのです。

中途半端ですみませんが、お許し下さい。

私の読解力不足、誤読の可能性も高いですが、とにかく保留とさせて下さい。

お願い致します。

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追記: 2024/04/13 02:11
〜訂正内容〜

本文を加筆・訂正しました。