217_原仏13ー6 の続きです。
Ⅱ 人生の指針
第一部 人生の指針
第二章 真理のことば ー ダンマパダ
二 「ダンマパダ」のことば
になります。
なお、便宜上、本でなされている内容及び解説を、(A)と記します。また、私の文を(B)と記します。あらかじめ、ご了承頂きますよう、お願い申し上げます。
うず高い花を集めて多くの華鬘(はなかざり)をつくるように、人として生まれまた死ぬべきであるならば、多くの善(よ)いことをなせ。
(五三)
(A)花を愛好するのは、どの民族にも見られるところですが、インド人は特に花を愛するようです。一つにはインドは南国ですから、色々な種類の花があり、色彩が鮮明です。わが国では、仏様に捧げる花は大体種類が決まっていますが、南国インドでは、鮮やかな、どうかすると、どぎついとさえ思われるような色の花を摘んで、仏や神に供えたり、あるいは花輪を作って捧げることをします。
花を髪にかざすことは、日本では若い女性達が昔からやってきたことですが、インドでは年配のお婆さんが花飾りをさして、とくとくとして歩いています。ネパールでは、お爺さんが花を白髪混じりの髪にさして、嬉しそうにしているのを見たことがあります。そういう習俗を心にとめて頂ければ、「うず高い花を集めて多くの華鬘をつくるように」というたとえがピンときます。そのように多くの善いことを生きている間になさい、というのです。
(B)経典も中村さんのお話も、言っていることはわかるんですけどね。
こうあるべし、といくら示しても、やらない人はまったくやらないし、おそらく、はなもひっかけない。
どうせ、この世では、肉体人間の寿命は限られているんだから、せめて良いこと(無意識に神様のみ心に適うこと、真善美に悖らないことを前提にしているように見えます)をしようよ、みんなが好んで増やす花飾りのように、ってことでしょう?
しかし。
限られた寿命だからこそ、限られた若さだからこそ、とメチャクチャをする業想念の限りなく深く厚い人間もいるかもしれない。
ヤリ逃げだ、と。
こういう人はどうするんですか?
やっぱり、感化しかないように思えます。
説教しても、何しても、業想念で作られた因縁の壁はまず破れないのだから。
そして、その好き勝手し放題の人の天命がまっとうされるのを祈ることと、世界平和の祈りですね。
きれいな言葉の規範もいいのかもしれませんが、やはり、実効の、より多くの実効のあるものまで、視野に入れて頂きたいです。
次です。
タガラ、栴檀(せんだん)の香りは微(かす)かであって、大したことはない。しかし徳行ある人々の香りは最上であって、天の神々にもとどく。
(五六)
(A)タガラは香(こう)の名で、日本や中国にはない、あちら独特のものです。多伽羅、伽羅と音写されます。栴檀の香りも、実にいい香りがしますが、そのようないい香りでも、高い立場から見ると大したことはない。すなわち徳行の香りが、最も尊い清々(すがすが)しいものである、というのです。
(B)何か、この書き方だと、自然を蔑(さげす)んでいるように見えます。
私個人の偏見なのかもしれませんが。
自然は、自然で、やはり、それはそれで素晴らしいし美しい。あらゆる自然は生きている。植物でも、特に花は、そのことを著しくわかりやすく感じさせてくれる。
人として徳を行う、そして積むことが、いかに素晴らしいかを言いたいばっかりに、勢い余って行き過ぎた表現をしたようにも、見えるんですけどね。
私はある時期までは、花を見てもそれほど、美しさを感じたり、匂いをかぐわしいと思ったりすることは、ありませんでした。
しかし、自分がつらい思いや苦しい思いを味わうことを経ると、花に対する見方が変わってきたんです。
ああ、こんなにけなげに生きているんだな、美しいな、素晴らしいな、とわずかながらも感じるように変わってきた。
これは、雑草でも同じです。
みんな命を宿している。
生きている。
神様の命がこうしたところにもあらわれている。
みんな、それぞれに、精一杯に生きている。
これだけでも、素晴らしいじゃないですか。
それに比べると、神様の命をそのままあらわすべきはずの肉体人間は、五感にまつわるあまたの業想念に汚されて、生きていることのありがたさ、自然の恵みのありがたさ、自然のけなげさに、本当に気づきにくくなっている。
だからこそ、肉体人間は、霊性を開発して、自然を当たり前に讃歌し、感謝一念の祈りの生活をすべきだと、つくづく思う。
そのために、最適なのは、世界平和の祈りと守護霊さんと守護神さんへの感謝行だと思います。
現代は自力修行は、超のつく難行苦行ですからね。
また、中村さんは、高い立場としているが、これがどういう意味なのか、もっとはっきりわかりやすく書かないと納得しにくい一因になるように思います。
人によっては、却(かえ)って反発することになるかもしれないからです。
なお、栴檀の中で最高のものが白檀になるのだが、ある女性作家の本によると、白檀は霊的に浄めるような効果が多少はあるらしい。
ちょっと、本の名前も忘れてしまったので、確かなことは書けないが、そんな感じだったと思う。
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・鬘は、漢和辞典によると、まん、ばん、しか読みがない。意味は、
①髪の美しいさま。
②インドの風俗で、体につける飾りの花輪。
(用例)華鬘(けまん)となっている。
なお、鬘華(まんげ)は、茉莉花(まつりか)の別名。
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追記: 2020/12/19 22:17 〜訂正内容〜
経典の引用と引用の間に、間をおかなければならないところを、かなり忘れたままにしていましたので、区切り(次です。)をいれて併せて改行をすることで、全体を改めました。
たびたび、ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。