おぶなより

世界平和の祈りに寄せて

280_原仏18ー9

279_原仏18ー8 の続きです。

Ⅱ 人生の指針 の
第二部 後世における発展 の
第七章 ギリシャ思想との対決ー「ミリンダ王の問い」 です。

なお、便宜上、本でなされている内容及び解説を(A)として、私の文を(B)と記します。内容は本の小見出しに従って、見ていく形にします。

二 ナーガセーナとの対話

ー 対話の成立する基盤 ー

(A)(一部、改変・省略・訂正あり。以下、すべて同様)続いて、色々な議論が述べられています。

(B)なし。

続きです。

「尊者ナーガセーナよ、わたくしとともに(再び)対論しましょう」と王は問う。
「大王よ、もしあなたが賢者の論を以(もっ)て対論なさるのであるならば、わたくしはあなたと対論するでしょう。しかし、(大王よ)、もしもあなたが王者の論を以て対論なさるのであるならば、わたくしはあなたと対論しないでしょう。」
「尊者ナーガセーナよ、賢者はどのようにして対論するのですか?」
「大王よ、賢者の対論においては解明がなされ、解説がなされ、批判がなされ、修正がなされ、区別がなされ、細かな区別がなされるけれども、賢者はそれによって怒ることがありません。大王よ、賢者は実にこのように対論するのです。」

続きです。

(A)反対説が出されても、賢者は怒ることなく、じっと道理を考えて議論します。それが賢者の対論なのです。

(B)

続きです。

尊王(?)よ、また王者はどのようにして対論するのですか?」
「大王よ、しかるに、実にもろもろの王者は対論において、一つの事のみを主張する。もしその事に従わないものがあるならば、「この者に罰を加えよ」といって、その者に対する処罰を命令する。大王よ、実にもろもろの王者はこのように対論するのです。」

続きです。

(A)どちらをとるのですか、という訳です。ミリンダ王は答えざるを得ません。

(B)

続きです。

「尊者よ、わたくしは賢者の論を以て対論しましょう。王者の論を以ては対論しますまい。尊者は安心し、うちとけて対論なさい。たとえば、尊者が比丘(びく)あるいは沙弥(しゃみ)あるいは在俗信者あるいは園丁(えんてい)と対論するように、安心してうちとけて対論なさい。恐れなさるな。」
「大王よ、よろしい」といって、長老は同意した。

(以上、第一篇 第一章・第三)

続きです。

(A)このように、あなたがそういう態度で対論なさるなら、これから始めましょうと長老は言いました。ナーガセーナ長老がミリンダ王に対して一本釘をさした訳です。
つまり、対論する場合には、力をもって圧迫するようなことがあってはならず、どこまでも道理を追求すべきであるという精神が、ここにはっきり出ているのです。今日の我々でも、まず第一に心がけるべきことではないでしょうか。

(B)