おぶなより

世界平和の祈りに寄せて

335_法話50-23-1

23 ものに依存しない生き方

現世利益に達する道と、
涅槃に達する道と、
まったく相反する道がある。
この理(ことわり)を知っている仏弟子達は、
名誉を喜ばない方がよい。
そして離欲の道を歩めばよい。

(七五) (第5章 愚か者 より)

S さんによると、私達はその欲が尽きることはなく、いつも、貧(とん)・瞋(じん)・痴(ち)という煩悩の炎で燃え続けているのだそうです。

貧瞋痴とは、人間のもつ根元的な3つの悪徳で、好きなものを貧(むさぼ)り求める貪欲、嫌いなものを憎み嫌悪する瞋恚(しんに)、物事に的確な判断が下せず、迷い惑う愚痴の3つで、人を毒するから三毒、あるいは、三不善根などとも呼ばれるものです。

そこで、S さんは、すべての問題は心(以下、話の都合上、想いとする)にあるとします。

そして、お釈迦さんが、この世の中は現世利益に達する道で、それは苦しみの道であるとしていたと言っています。

S さんは、そのために、お釈迦さんが、涅槃(永遠の安らぎ)に達する道を説かれた、としています。

物や地位や財産や肩書きなどは、追えば追うほど、安らぎがなくなるとして、何物にも依存しない生き方こそが、安らぎに至る道だ、としています。

これは、要するに何事にも執着をするな、として、あらゆるものに対するとらわれを離すことを言っていますね。

なお、(S さんの訳したであろう)経文の文言を別の見方で読むこともできると思うので、それについては、次回以降とします(ただ、あんまり突き詰めていくと、引き寄せの否定になってしまうので、どこまでにしようか、考え中です)。