おぶなより

世界平和の祈りに寄せて

694_ひしみー115

09 梵天による懇請

・成道直後の四週間

今回から、第 9 章( 09 梵天による懇請 )に入る。

お釈迦さんは、12 月 8 日に悟りを開いて仏陀になって以降、 1 週間ごとに、場所を変えながら、 4 週間にわたり、禅定を続けた。

経典によっては、 5 週間だったり、 7 週間だったりするのだが、とにかく、律蔵に従い、 4 週間とする。

第 1 週 → 菩提樹
第 2 週 → アジャパーラ榕樹下
第 3 週 → ムチリンダ樹下
第 4 週 → ラージャーヤタナ樹下

ひろさんのご本には、第 2 週と第 3 週に伝説がほんの少し紹介してあるのだが、ひろさんご自身も、さほど重要視されているようには見えなかったので、申し訳ないが省略する。

お知りになりたい方は、各自ご研究頂きたい。

ひろさんは、後世にできた三宝(さんぼう)、すなわち、
仏は、お釈迦さん(仏陀)、
法は、お釈迦さん(仏陀)の教え、
僧は、お釈迦さん(仏陀)の弟子の出家修行者の集まりの僧伽(そうぎゃ)、
に絡めて、
ラージャーヤタナ樹下の第 4 週を取り上げている。

どういうことかというと、この期間に、 トルプサとバッリカという 2 人の商人がお釈迦さんへの帰依をしたことに注目しているのである。

三宝からすると、彼らは僧(出家修行者)には当たらないのに、お釈迦さん(仏陀)に帰依をして、仏教として最初の仏教徒である、在俗信者となったからからである。

彼らが、お釈迦さん(仏陀)に帰依をした時には、お釈迦さんには、まだ、お弟子さんはおらず、従って、僧が創設(確立)されていなかったからだ。

つまり、この第 4 週は、まだ時期的に三宝が成立する前だったので、彼らは三宝のうちの、
お釈迦さん(仏陀)と、
お釈迦さん(仏陀)の教え、
の二宝に帰依した人達だったのだ。

その経緯は、おおよそ、以下の通り(改変・省略多々あり)。

第 4 週のラージャーヤタナ樹の下でお釈迦さんが禅定をしている期間に、トラプサとバッリカという旅をしながら商いをしている 2 人の兄弟が、麦菓子と蜜団子を献上した。

当時のインドでは、修行をしている聖者に飲食を供養するのは、ごく当たり前の習慣だった。

ただ、そのお相手が、他ならぬお釈迦さん(仏陀)だったから、彼ら 2 人は歴史に名を残すことになったらしい。

ここに、伝説があって、お釈迦さんは、こうした供物を入れる容器を持っていなかったので、東西南北を守護する四天王が、それぞれに持ち寄った(献上した)石鉢を、 1 つに合わせて、1 つの鉢として容器に用いらたらしい。

 4 人のうち、誰か 1 人を施主にすることはできなかったので、4 つの鉢を合体して、 1 個の托鉢用の鉢にしたとのこと。

ひろさんは、「この伝説は面白い」、「伝説もなかなか手が込んでいる」とお書きになっている。

そうして、彼らは、お釈迦さんに供物を献上した後に、
「世尊(お釈迦さんのこと)よ、われらは世尊と教えとに帰依致します」
と表明して、仏教の最初の在俗信者となったとされている。

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・成道~仏教語~成仏特道(じょうぶつとくどう)の略。悟りを開き仏陀(覚者)となること。悟道。

・律蔵~りつぞう~僧侶や教団の規則をまとめたもの。

・榕樹~ようじゅ~①ガジュマル。南方産のクワ科常緑高木。幹が多く枝分かれし、多くの気根を垂れる。
②あこう(雀榕)。ガジュマルに似た南方産の常緑高木。
ここでは、どちらの意か、わかりません。

・禅定~仏教語~ぜんじょう~①心のはたらきを静めて精神を集中すること。また、その心の状態。瞑想。
(用例)禅定に入る。
②霊山に登って修行すること。
ここでは、①の意。

三宝~さんぼう~①仏教徒が尊敬すべき 3 つの宝。仏・法・僧のこと。
②「仏」の異称。
ここでは、①の意。

・帰依~きえ~神仏を信じその教えに従うこと。
(用例)仏道に帰依する。

(追記)
ウィキペディアは、以下のようになっている(改変あり)。

成道後、7日目まで釈迦はそこに座わったまま動かずに悟りの楽しみを味わい、さらに縁起と十二因縁を悟った。

8日目に尼抱盧陀樹(ニグローダじゅ)の下に行き7日間、

さらに羅闍耶多那樹(ラージャヤタナじゅ)の下で7日間、座って解脱の楽しみを味わった。

22日目になり再び尼抱盧陀樹の下に戻り、

悟りの内容を世間の人々に語り伝えるべきかどうかをその後28日間にわたって考えた。

その結果、この真理は世間の常識に逆行するものであり、
「法を説いても世間の人々は悟りの境地を知ることはできないだろうから、語ったところで徒労に終わるだけだろう」
との結論に至った。

ところが梵天が現れ、衆生に説くよう繰り返し強く・・・。

以下、略。

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①追記: 2022/10/02 11:03
②追記: 2023/05/14 22:11
 〜訂正内容〜
上記複数回にわたり、表題と本文を加筆・訂正しました。
②について
09 梵天による懇請
の内容が始まる、
694_ひしみー115
から
714_ひしみー135
までの 21 個分の表題を
すべて間違えていたこと
に気づきましたので、
これらを訂正しました。
これに伴って本文中も
訂正すべき部分を訂正
することにしました。
この章の正しい表題は
09 梵天による懇請
でなければならないところを、ずっと
09 梵天の懇請
のままにしていました。
大変失礼致しました。
申し訳ございません。
お詫びとともに訂正させて頂きます。