決めつけについて。
例えば、イケメンはこうだ、フツメンはこうだ、X (あまり見目麗しくない女性)はこうだ、と決めつけるのは、間違っているよ、必ず例外があるから、ということ。
イケメンにも、その天性の恵まれたモテ要素にあぐらをかいて、遊びまくるしょーもない人もいるだろうし、そんな異性狩りよりも、もっと違うことに関心があり、恋愛はほどほどという人もいるだろうし、はたまた、何らかの事情で、女性にまったく縁のない生き方を余儀なくされている人もいるでしょう。
いろいろ、決めつけたがるのは、あくまでも、ある程度の傾向であり、公式でもなければ、公理でもない、ということ。
我は真理を見つけたり、と言い切り決定でこれ解決、とはならない訳で。
残念ながら?類型化はある程度限られた、概念や場合になってしまうってこと。
地球上に、今現在、何十億の人口があり、また、それぞれの過去世に、無尽蔵(むじんぞう)と言うべき因縁因果があるのだから・・・。
こと、日本人に狭く限ったって、ワンパターンの決めつけなんて、できないのが道理ってもん。
どんなに言い切りたくても、決めつけたくても、あくまでも、言えるのは程度の差がある傾向まで。
そういうこと。
ところで・・・。
先に書いた実業家の F さんは、今で言う、イケメンについて、こんな厳しいことを書いていましたよ。
色男金と力はなかりけり。(*1)
つまり、こういうことです。
色男、すなわち、今でいうところのイケメンは、その秀(ひい)でた容貌のために、黙っていても、それなりに女性が寄ってくる、あるいは、もてはやされてしまう(よほどの変人でない限りは)。
まあ、こう言ってはなんですが、その吸引力?は一種の自然現象みたいなものですね(霊性が開けていない、今の状態ではね。まだまだ、付与された動物的本能が勝るからやむを得ないか、と)。
そのために、イケメンと呼ばれるような男性が、ふやけた、芯のない人間になりがちだ、ということを厳しく戒めたかったのだと思います。
おそらくね。
そんなことでは、大成できないぞ、と。
戦後の焼け野原から、徒手空拳の叩き上げで這(は)い上がった、実業家の F さんらしい、ご指摘です。
なまじ、イケメンに生まれついてしまったために、何事かを成し遂げたい、と大志を抱く場合には、よほどの確固とした強靭な意志を持たなければ、すぐに挫折してしまうのだ、と。
そうしないと、いとも簡単に環境に満たされて?妥協してしまい、イケメンであることが、逆に落とし穴になってしまうぞ、と示唆したかったのでしょう。
それと、こんなことも指摘されていましたよ。
カッコいい男、背の高い男は、それに当てはまらない他の男たちからの敵意を買う恐れがあるのだから、慎重に行動するに越したことはない、と。
ある人に聞いた話です。
彼はある意味すごく好い人なのでしょうが、反面、キツい言い方をすると朴念仁で、かなりニブいお人なんですね。(*2)
ルックスは、背が高めでまあまあかな。
そこそこカッコいい部類に入るかもしれません。
彼が、ある先輩に何人かの仲間の前で、いきなり、「コイツは一番モテないヤツだ」と言われたそうなんですね。
彼は、何で自分がそんなことを言われるのか、訳がわからなかったそうです。
別にその先輩を怒らせたり、失礼をした何の覚えもなかったにもかかわらず、だそうです。
その後、彼はとある女性から、「アンタ、女にモテるでしょ」と思いもかけなく言われて、やっと気づいたそうです。
ああ、あれは男の、同性に対するどす黒い嫉妬の、歪(いびつ)ながらも強烈な発露だったんだな、と。
その先輩は、顔立ちそのものは別に悪くなかったそうですが、小柄で、色白でなく、小太りな人だったそうなんですね。
足も、あんまり長めでないと。
その先輩は、彼に対して、きっと感じたのでしょう。
チキショウ、コイツ、女にモテるだろうな、と。
ボーとして?おとなしそうなコイツのことだ、一発かましてやれ、と。
さすがに、殴ることはできないにしても、衆目の前でさえ、黙っていられなかったのだから、これはもう、身勝手な怨念に近いですよね。
なぜなら、彼には、何の非も落ち度もなかったのだから。
その先輩が悪感情のマグマを抑えきれなかった、ということでしょう。
暴発してしまった、と。
しかしまあ、こんなどす黒い嫉妬を、尖鋭化させ公(おおやけ)にしてしまう、その先輩というお人も、不用意で迂闊(うかつ)の謗(そし)りを免れないのですがね。
それほどまでに、激しい感情だったということですね。
訳もないように見える、極度の攻撃的な感情の裏には、自らが満たされない不平不満によってもたらされた、怨嗟に近い怨念が潜んでいた、ということです。(*3)
でも、これは彼にしたら、やりきれないでしょう。
ましてや、彼は朴念仁。
自らの容姿をひけらかしたり、自己陶酔型の人(ナルシスト)のように、カッコつけるような人ではない。
およそ、モテやチャラの対極にあるような人です。
彼にしたら、ただ悪意なく存在しているだけなのに、ただ普通に生きているだけなのに、他人に身勝手な怨念なんか抱かれたら、たまったものではないでしょう。
人は、男女問わず、無用な争い事はしたがらないのが、普通だと思います。
ただ、彼のように、本人に何らの悪意や落ち度がないのにもかかわらず、場合によっては、同性にやっかまれ、敵意を抱かれてしまう可能性があるんですね。
特に、霊性が未開発の、付与された動物的な本能に縛られる、私達(の大半)にとっては。
なので、口には出さずとも、あからさまに態度には出なくても、同性の妬(ねた)み、僻(ひが)み、嫉(そね)みを受けやすい場合、つまり、それなりに容貌に恵まれた方々の場合には・・・。
こうした方々の場合には、男女問わず、同性から嫉妬などをされ、敵意を抱かれる可能性があることを、十二分に留意しておくに越したことはありません。
いや、むしろ本人の故意や悪意がないのに、勝手に嫉妬されたり、敵意を抱かれたりするのですから、これを心得ておくことは、必ずしも無駄ではないと思います。
世の中には、こんなことがあるんですからね。
口には出さないけれど、とぐろを巻く、表層下のどす黒い嫉妬、そして、敵意。
いやあ、恐ろしいですよ。
異性にとっては福音?でも、同性にとっては憎悪の対象?になる場合がある、ということですからね。(*4)
彼の先輩の暴発の一件は、極論すれば、男性にとっての子孫を残すためのパイ(受胎、出産してくれる女性)の奪い合いによる競争相手を、特に優位に立つ競争相手を、極力排除したがる、付与された動物的な本能が表出してしまった、一つの事例なのでしょう。
男性の嫉妬も恐ろしいですが、女性の場合にも、より良い遺伝子の収奪を巡っての競争からくる嫉妬は、十分あり得ると思いますよ。
そこで、無意識下で、付与された動物的な本能に突き動かされるドロドロした感情や行動を、一応、心に留め置き、それなりの準備や対処をしておくことも、現世の世渡りの知恵として必要だ、と。
彼も朴念仁ながらも、多少は、俺そうなのかな、あの人何であんなこと言うのかな、とその先輩の行動の意味が理解できるまで、しばしの間、悩んだそうですから。
その先輩より、さらに性格が悪く、ずっと狡猾な人にかかれば、いつどこで、何をされるかもわかりませんよ。
建前で飾り立て、一般論を装いながら、その実、裏で、怨念を晴らされたりしたら、たまりませんからね。
なので、ちょっと大げさかもしれませんが、一応、この付与された動物的な本能による男女ともに備える性癖は、知っておいた方がいい。
男女を問わず、彼のような朴念仁は、そうはいないかもしれません。
ただ、知らず知らずのうちに、無防備な状態で、痛手を負わされてからでは、遅いですからね。
とはいえ、これも真善美に悖る業想念のなせる業ですから、あくまでも、唯物論の範疇での処世術、ではあります。
またまたまた、にはなってしまいますが、世界平和の祈り一念の生活で、これらの業想念を消えてゆく姿として、妙好人の人達のように神様を固く信じることで、消し去ってしまうことができれば、問題にならなくなりますからね。
イケメン、フツメン、○○メン、美人、X(あまり見目麗しくない女性)・・・今は、そんなの、どうでもいいんだ、もう(まだ、よくない?)。
ただただ、世界平和の祈りとともに、日々の想念と行為が、少しでも神様のみ心に近づけるように、失敗と反省、そして、試行錯誤を繰り返しながら、一歩一歩、地道に歩んでいくだけです。
私もこんなイケメンにお会いしたことがあります。
家族が救急隊の方達に、お世話になった時のことです。
その中のイケメンさんに、主にお世話になったのですが、どうも所作(しょさ)がテキパキしないというか、何となくモタモタしているんですね。
応対は実に誠実で、とても印象が良く、爽やかな好青年なのですが、どうにも、反応や処理が今一鈍い。
そのリーダーと目される先輩格の人がいて、この人は何となくクセがあり、妙な?オーラがありますが、指示や処理は実に迅速で的確。
安心して任せられるし、頼りになる。
家族の身を任せる側からすれば、誠意はともかく、イケメンなんかどうでもよくなるだろうな、と思いましたし、仕事の能力こそが、まずは第一に必要だな、と思いましたよ。
イケメンの彼も、一人前になるまでには、苦労するかもしれないけれど、誠意という素晴らしい美点があるのだから、そのための容貌に相応しいよう(そんなことさえを気にせずに。神様のみ心に適うことを第一として)鋭意努力なさって下さいね、と思わずにはいられない出来事でしたね。
まあ、いろんな話に花を咲かせるのも、それもまた良し、なのかもしれません。
ですが、決めつけ過ぎるのも、ほどほどにね、と。
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(*1)いろおとこ~好男子。美男。女性にもてる男性。
(*2)ぼくねんじん~人情や道理のわからない人。
(*3)怨嗟~えんさ~うらんで、嘆き悲しむこと。
(*4)こういった話が、ピンとこない方のために、ヒントを記します。
例えば、貴方(あなた)が、イケメンの男性の友人(以下、イケメンと略)と二人でいるとします。
そのイケメンは、背が高くてカッコいい、チャラさも何も一切ない、完全、完璧なる本物のイケメンです。
昔で言うと、眉目秀麗な美男子、ハンサムですね。(*4ー1)
雰囲気イケメンではありません。
目の前に、妙齢の、しかも見目麗しい女性が数人現れ、貴方には目もくれず、完全に無視。(*4ー2)
そして、イケメンばかり、チヤホヤしたとしたら、どうでしょう?
中には、お持ち帰り志願か!と見紛う女性までいる始末です。
貴方が、同性愛志向でない限り、えもいわれぬ、不穏な想念が湧き上がってくるはずです。
これが、異性を奪う同性に対する、憎悪や敵意です。
女性の方も、同様に考えて頂ければ、ご想像がつくと思います。
私は、男なので、女性の気持ちはわかりませんが、男性ほどではないにしろ、この憎悪や敵意は、それなりにある、と思われます。
最近は、若い男性が、草食化、絶食化したとも言われますが、連綿として引き継がれてきた本能が、そう簡単に消失するとは考えにくい。
表層意識下には、この本能が潜んでいる、と思われます。
従って、何かのキッカケで、溢れ出てこないとも限らない。
これを臨場感を持って?想定する、あるいは、類似の体験から類推すれば、ある程度おわかりになると思いますよ。
(*4ー1)眉目秀麗~びもくしゅうれい~顔かたちが整って美しいこと。また、そのさま。
用例)眉目秀麗な青年
ハンサム~男性の顔立ちの整っているさま。また、その人。美男子。
参考英語では、目鼻立ちはっきりした(人)の意で、女性にも用いる。
(*4ー2)妙齢~みょうれい~若い年ごろ。結婚する年ごろ。
用法としては、主に、女性に使う。
まあ、現代で見れば、明治から令和までを平均して、二十歳前後とできるかもしれません。
大昔は、まだ幼いうちに結婚しましたからね。
見目麗しい~みめうるわしい~顔立ちが美しい。美貌である。
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①追記: 2022/08/28 13:25
②追記: 2024/03/31 16:29
〜訂正内容〜
上記複数回にわたり、本文を加筆・訂正しました。
日本人の名字に使われているとはつゆ知らず、ある名字を不適切に用いていたことに気がつきましたので、急遽これを削除して、X に置き換えました。
不勉強で、大変失礼致しました。
申し訳ございません。
お詫びとともに訂正させて頂きます。