おぶなより

世界平和の祈りに寄せて

193_原仏12ー6

実は、まだ書きたいことがあるのですが、これ以上寄り道もできないので、中村さんの本に戻ります。

Ⅱ 人生の指針
第一部 人生の指針
第一章 ブッダのことばー「スッタニパータ」(2)
の、
一 真理について

からになります。

以前にも書きましたが、ここで書かれていることを、きわめておおざっぱにまとめると(私見では)以下になります(あそこに書かれていることをまともにすべて引用していたら、話が長くなり過ぎるし、冗長になると思います。どうしても、知りたい方は中村さんの本を直接お読みになって下さい。次回以降に少しは引用しますが)。

肉体人間、特に悟りを開けず、霊性の高くない肉体人間は、

往々にして自分の考えが正しいと言い張りがちであり、

しかも、なかなか主張を引っ込めることはなく争いがちであり、

論敵を非難して、蔑(さげす)みがちだという習性がある、

といったことが、だいたいにおいて書かれていると思います。

そして、こうした態度や行動が出てくる、根本原因は、人間=肉体人間である、との、肉体人間観によっていると思われます。

肉体=人間である。その寿命はおおむね数十年。

これで終わり。

人生が終われば、肉体を有機的な生命たらしめている神様の分霊(わけみたま)である霊魂魄(れいこんぱく)の働きかけがなくなってしまえば、この世(現界。時系列的には現世)に別れを告げなければならない(この世に異常な執着を残し、成仏できない場合は別として)。

残された肉体は、動物と同じように、干からびて、やがて骨になり、悠久の時間をかけて、消滅していくことになるのだろう。(*)

霊魂魄、霊体ではない(のみではない)、この肉体を維持して、世代を引き継いでいくためには、この世では、自己保存と生殖の本能が必要だ。

そうして、自己とこれにまつわる周辺のものだけの維持・存続のために、既存の限られた(と思われている)資源を競争して、奪い合うことになる。

そうしたことを、何世代、何世代にもわたって数限りなく繰り返してくれば、元々が神様の光のわかれの同胞、兄弟姉妹といった意識は薄れてしまう。

お互いに、同じ資源を巡って相争い合う、別個の存在、場合によっては限られた資源を奪い合う敵だ、と思うようになってくる。

これが、神性をかなり忘れてしまい、この意識が根底にあることが、肉体人間=自己となり、神様の命のわかれわかれの者同士の兄弟姉妹、同胞だとわからず、自分の主張に拘泥する根っこにある、と考えられるのです。

もちろん、人によって程度の差は、雲泥にありますけどね。

なぜ、自分の意見を主張を押し出していくのか?

なぜ、自分の意見を主張を引っ込めたがらないのか?

自分の主張を意見を否定されてしまう、排除されてしまうことを、嫌うのはなぜか?

これは、惑星、地球さんの開発のために、便宜上付与された、肉体の自己保存の本能に帰着する、と。

自らによって、絶対の真理を作り上げ、不可侵のものとして、そびえ立たせる。

そうすることで、相手を周囲を屈伏させることができる、という、神性からすると、悖(もと)る意識をもってしまっている訳です。

我の強い、目立ちたい、崇められたい人ほど、この傾向は著しい、と。

私は、こうとらえています。

引用なども含め、続く話は長くなりますので、勝手ながら、ここでまた区切ります。

ご了承願います。

~~~~~

(補足)
自己保存の本能の延長が、つまるところ、権力欲であり、覇権主義となると考えます。

従って、いろいろな各々の見解に固執して、お互いに譲らず、相争うのは、自己保存の本能が拡大された、真善美に悖るところの業想念の形を変えたあらわれである、ととらえることができます。

我が強い、目立ちたい、崇められたい、というのは、他人を出し抜いても自分だけが優位な立場に立ちたい、それも圧倒的な、との業想念のあらわれですからね。

私見~しけん~自分一人の意見・見解。

・冗長~じょうちょう~文章や表現がくどくどと長いこと。また、そのさま。

・拘泥~こうでい~あることに気持ちがとらわれること。こだわること。

・帰着~きちゃく~①もとの場所に帰り着くこと。
②いろいろな過程を経て、最終的にある結果や結論に落ち着くこと。
ここでは、②の意。

・崇める~あがめる~尊(たっと)び敬(うやま)う。

固執~こしつ~かたく自説を主張して曲げないこと。
(参考)・固執(こしゅう)の慣用読み。

(*)地球さんの地面その他に帰した、肉体人間を構成する魄(ぱく)要素は、また、寄せ集められて、再び肉体人間の生成に使われるらしいです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

①追記: 2020/12/05 17:05
②追記: 2024/04/14 08:35
〜訂正内容〜

上記複数回にわたり、本文を加筆・訂正しました。