おぶなより

世界平和の祈りに寄せて

695_ひしみー116

09 梵天による懇請

・仏宝と法宝に帰依した二人の在家信者

前回( 694_ひしみー115 )の続きです。

ここでひろさんがお書きになっていることは、個人的にはかなり過激に思える。

だからという訳ではないのだが、私もまずは独断と偏見で乱暴にまとめたいと思う。

当然、私の曲解や改変もあるが、ご了承頂きたい。

要するに、ひろさんは、仏教徒が尊敬すべき 3 つの宝である(もちろん、仏陀=お釈迦さんである)、
・仏(=仏陀)
・法(=仏陀の教え)
・僧(=仏陀の弟子の出家修行者の集まりの僧伽(そうぎゃ) )
のうち、僧だけを除外したいのであろう。

いろいろと書いてあるが、要はそういうことだ。

そこでは、こんな過激な文章もある。

ひろさんが昔、お仲間の人達とブッダガヤーで、三帰依文を唱えようとした時に、そのうちの 1 人が、唱えるのを嫌がり、こう言ったそうだ。

「 私(わたし)は仏や法には帰依する。
しかし、女を抱き、金儲けに専念している僧に帰依しすることはできない 」

もちろん、真面目なお坊さんもたくさんいるだろうから、これは極論だろう。

ひろさんは、どうもこれにかこつけて、仏教徒は、僧に帰依する義務はないと言いたいらしい。

そして、唐(中国)の僧侶鑑真が日本に来た、754 年当時のことをお書きになっている。

仏教の日本伝来は、538 年か、552 年で、鑑真が来朝した 754 年には、僧が作れない状態だった。

僧を作る(この言い方が正しいのかどうかわからないが)には、正式な受戒が必要で、そのためには 10 名の僧侶が必要とされていたからだ。

そこで、日本政府側としては、鑑真を 8 人の弟子とともに招聘して、東大寺に戒檀院を建立して、受戒の手続きをすることで、日本にはじめての正式な僧侶が誕生したとのこと。

つまり、日本にはそれまで 200 年以上もの間、三宝のうちの 1 つの正式な僧侶がいなかったのである。

三宝のうちの 1 つがなかった、と。

三宝に帰依が必須ならば、鑑真の来日以前には、日本には仏教者(ひろさんは、どういう訳か、僧侶と書かずにこうお書きになっている)がいなかった。

よって、別段、三宝に帰依する必要はない、そういう結論になりそうだ、とお書きになっている。

そして、お師匠さんの中村元さんのお話を持ち出して、サンガ(上記の三宝のうちの僧伽(そうぎゃ)のこと。いちいち、用語が微妙に異なって本当に面倒くさい。煩瑣だ。やめてほしい)である弟子達を持ち上げる必要はない云々とした上で、(*)

サンガが釈迦仏(仏陀。お釈迦さんのこと。本当にいちいち細かく書きわけられていて、煩瑣この上ない)と同格に祭り上げられたのは、お釈迦さん亡き後で、そうして仏教教団の指導権(ヘゲモニー)を握った連中(!。いいの?こんな書き方して)が、
「さあ、俺達僧侶を、釈迦世尊(お釈迦さんのこと。まただよ。煩瑣だな)と同等に敬い、崇拝しろ、そうしないと仏教徒とは認めないぞ」
と言い始めたに違いない。

さらには、こうも書かれている。

それが小乗仏教である。私(=ひろさんのこと)はそう思う。

つまり、小乗仏教は、このような意味で、「出家至上主義」の仏教であり、私(=ひろさんのこと)は、そのような仏教は釈迦世尊(まただよ。煩瑣)によって説かれたものではないと思うのだ。

要するに、問題は、
「僧とは何か?」
「出家とは何か?」
である。
我々はこの問題をいつかどこかで問わねばならぬ。
今はただ、出家した弟子ができる以前に、仏陀となった釈迦世尊(まただよ。煩瑣)とその教えである仏教に帰依した二人の在家信者がいたことだけを確認しておくことにする。

とのこと。

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(*)中村さんのお話のあらましは以下の通り(改変多々あり)。

前回( 694_ひしみー115 )出てきた、トルプサとバッリカという、 2 人の商人に書かれている内容とのこと。

(お釈迦さんが食物の供養を受けた時に)「尊師(お釈迦さんのこと)と法とに帰依奉(たてまつ)る」とその時、 2 人が実際に言ったかどうかは不明だが、これも古い思想を伝えている。
学者は、通常、当時はサンガがまだ成立していなかったから、三宝に帰依するとは言わなかったのだと解釈する。
しかし、「スッタニパータ」のような古い仏典によれば、サンガが成立した後でも、
「サンガ」に帰依するとは言わないで、
ただ、
「仏」と「法」に帰依するように表明している。
三宝に対する帰依を表明するようになったのは、少し後の時期になってからのことである。

~~~~~

・鑑真 ( 668 ー 763 ) ~がんじん~唐の僧で、日本の律宗の祖。失明しつつ六度目の渡海で七五三(天平勝宝五)年(上記のひろさんの書かれた年数とは違うがその意味合いはわからない)来日。東大寺に戒檀を設置、聖武上皇以下に授戒。唐招提寺を創建。

・招聘~しょうへい~礼を尽くして人を招くこと。
(用例)世界的な音楽家を招聘する。

・煩瑣~はんさ~こまごましていてわずらわしいこと。また、そのさま。
(用例)煩瑣な手続き。

・戒檀~かいだん~仏教語~戒律を授ける儀式を行うために築いた石や土の檀。

・檀~だん~①一段高くして設けた場所。
壇上、花壇、教壇、祭壇、雛(ひな)壇、仏壇。
②芸術家など、ある専門的な仲間の社会。
楽壇、歌壇、画壇、劇壇、詩壇、俳壇、文壇。
ここでは、①の意。

・戒檀院~かいだんいん~~仏教語~戒檀のある建物。

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①追記: 2022/10/02 11:06
②追記: 2022/10/02 11:10
③追記: 2022/10/02 11:17
④追記: 2022/10/02 11:36
⑤追記: 2022/10/02 16:13
⑥追記: 2023/05/14 22:18
 〜訂正内容〜
上記複数回にわたり、表題と本文を加筆・訂正しました。
⑥について
09 梵天による懇請
の内容が始まる、
694_ひしみー115
から
714_ひしみー135
までの 21 個分の表題を
すべて間違えていたこと
に気づきましたので、
これらを訂正しました。
これに伴って本文中も
訂正すべき部分を訂正
することにしました。
この章の正しい表題は
09 梵天による懇請
でなければならないところを、ずっと
09 梵天の懇請
のままにしていました。
大変失礼致しました。
申し訳ございません。
お詫びとともに訂正させて頂きます。