おぶなより

世界平和の祈りに寄せて

555_仏言葉ー087 ー 巡りと対応

第 6 章 心が晴れるためには

87.自業自得の摂理

鉱石が(自分から生まれた)ダイヤに破砕されるように(*)
無知な人は、自分が行い
自分が産んだ悪により
打ち砕かれる。

(ダンマパダ)
(一六一) (第12章 自己 より)

佐々木さんによると、仏教で悪というのは、自分自身の心に苦しみの元を作ることで、その悪がやがてはその作り出した本人をも打ち砕き、破壊するものだそうだ。

上記も今枝さんの訳だが、その中の鉱石のところに注があり、(二四〇) 偈(げ。詩句。この経文のこと)参照になっているので、こちらもあげておく。

鉄から生まれた錆が
鉄を蝕むように
自分がなした悪い行いは
自分を悪いところ(=地獄)に導く。

(ダンマパダ)
(二四〇) (第18章 汚れ より)

想いですね。

肉体人間の抱く様々な想い。

これがすべてを決めている。

真善美に沿うかどうか、
神様のみ心に沿うかどうか、
という観点から、

沿ったもの、
すなわち、
一般的に良いとされる想いは、
原則として、輪廻転生を通して、
そのまま良いものとして実現して
この世に返り、

沿わないもの、
すなわち、
一般的に悪いとされる想いは、
原則として、輪廻転生を通して、
そのまま悪いものとして実現して
この世に返る。

この、
良いものにしろ、
悪いものにしろ、
肉体人間として抱いた想いが、
原則として、輪廻転生を通して、
この世に返るのが法則。

要は、
自分のしたことが、
原則として、輪廻転生を通して、
自分に返ってくる、
ということ。

これを、
神様のお命を分けられた、
対個人間同士でみれば、
やったことが、やり返される、
という、
相殺する償いとしての形、
いわば、
清算の形であらわれる、
そのような形で返る訳です。

つまり、
肉体人間の想いが、
輪廻転生を通して巡ることは、
原因と結果として、
この世で展開される、
因縁と因果としても、
とらえることができる、
ということ。

このように見てくると、
佐々木さんのいうところの、
心に苦しみの元をつくるというのは、
一般的に悪いと思われる想いを、
心に抱いたために、
それが原則として、
輪廻転生という時間差を経て、
自らにあらわれた形で返ってくる。
病争貧苦などの苦しみとして。

従って、
肉体人間として、
新たに悪い想いを抱けば(起こせば)、
結局は、
すべての悪い想いが、
この世に実現した形で、
自らに返ってくる、

すなわち、
佐々木さんが書いた、
自業自得の摂理、
自らが作った悪(い想い)が、
輪廻転生という時間差を経て、
悪い想いが実現した形で、
その本人に対して、
この世にはね返ることで、
その悪い想いを抱いた本人をも、
最終的には、打ち砕き、破壊をすることになる。

この経文の概要を書くと、以上のようになると思います。

悪い想いを抱くことの顛末について、
鉱石がたとえとして用いられているのは、
鉱石のように硬いものでさえも、
打ち砕かれてしまうほどに、
上記の想いが巡る法則、
原因と結果の法則、
因縁因果の法則が、
厳しい、
厳格なものである、
という意味合いで出しているものだ、
と考えられます。

~~~~~

(*)破砕~はさい~破れ砕けること。破り砕くこと。
(用例)岩盤を破砕する。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

追記: 2021/09/26 00:06 〜訂正内容〜

本文を訂正しました。