おぶなより

世界平和の祈りに寄せて

608_ひしみー030

03 伝説が語る「真実」

・シッダールタ太子に関する基本データ

前回( 607_ひしみー029 )のお釈迦さんの特別扱いといい、どうにも納得し難いところがいくつかあるのだが、これは次回以降にまとめて書いていくことにして、次に進む。

この節( ・シッダールタ太子に関する基本データ )でも、ひろさんが、
お釈迦さんに関する伝説の信憑性や、
お母様の摩耶夫人の亡くなられた日の複数の可能性のことや、
お釈迦さんの長子羅睺羅(ラーフラ)が生まれたは、お釈迦さんが何歳の時なのかや、
果ては、お釈迦さんの出家の時期まで、様々に分かれている上に、
お釈迦さんの妃までもが何人もいたなど、
ハッキリ言って、もう話がぐちゃぐちゃである。
錯綜している。

しかも、ひろさんご自身も、ここ( ・シッダールタ太子に関する基本データ )に取り上げているいくつかの項目について、曖昧に判断を濁して明瞭にはしていない。

要は、本当のことは、真実は、わからない、ということではないですか?

なので。

以下では、箇条書きで、簡単に記す。
何だか、コンメンタールの条文の見出しとその一言みたいになってしまうが、了承を願う。

1.お釈迦さんの母親の没年月日
お釈迦さんの出生後、
・ 3 日後
・ 7 日後
・ 10 日後

2.お釈迦さんの父親=浄飯王の妃
・摩耶夫人 1 人
・摩耶夫人と摩耶夫人の実の妹=マハープラジャーパティー(摩訶波闍波提(まかはじゃはだい))の 2 人

3.お釈迦さんは 16 歳で、ヤショーダラー(耶輸陀羅(やしゅだら)と結婚して、長男(羅睺羅(らごら)(ラーフラ))が生まれている。

4.お釈迦様の長男羅睺羅が、お釈迦さんが何歳の時に生まれたのかは定かではない。
ひろさんは、おそらく、お釈迦さんの出家の直前だろう、としている。

5.お釈迦さんの出家は何歳の時か。
・19 歳
・29 歳

6.お釈迦さんの妃は本当にヤショーダラーだけなのか。
後に、バッダカッチャーやゴーパーという名前もある。
後代の伝説では、 3 人の妃がいて、ヤショーダラーが正妃とされている。

ひろさんは、以上が、お釈迦さんに関する史実として知っておくべき基本データだとしている。

しかし。

ひろさんは、
「我々が知りたいのは、そんな細々とした史実ではなく、釈迦が何を我々に教えたのか、である。それを忘れずにおきたい。」
と、この節を結んでいる。

何言ってるのかわかりませんよ、これ。

だったら、読者に不審を抱かせ、混乱を招くようなことを、なぜ、わざわざ書くの?

しかし。

たった一つだけだが、明確にわかることがある。

現代とは事情が異なるとはいえ、たった一つであったはずの事実が、史実としていかに歪(ゆが)めて伝えられてしまうか、ということだけは間違いなく理解できる。(*1)

たった一つの事実を、たった一つの真実を、後世に正確に伝えるのが、いかに困難をきわめるか、がわかる。

特にお釈迦さんにかかわる事実のように、
後世にもわたって、多大な影響を及ぼした人物にかかわる史実、
それに伴ってかかわるたくさんの人々の利害関係が絡む史実は、
このように確定が難しい煩雑なものにされてしまう、
ということがわかる。(*2)

ひろさんはそれが言いたかったのかな。

そうすることで、形而上学的に、大乗仏教のお釈迦さんの教えに、無理矢理、宇宙の絶対真理のお告げという絶対権威を持たせるために。

そうは書いていないけど、私は勝手に邪推する。

~~~~~

(*1)現代というか、近代からはだいぶ事情が変わった。それはマスコミの成立とともにこれは確立されたと言える。

(*2)こうして見てくると、霊性の開発ができていないと、世の中はこのようになってしまうのだ、やはり、霊性の開発を可能な限り推し進めて、このような事実を、真実を、歪めるようなあり方は次第になくすようにしていくべきだ、と思わざるを得ませんね。

霊性の開発がされ尽くさないと、いつまで経っても、肉体人間観を持った人間同士が、自我の延長として主張する史実や事実を、相争う事態が収まらないと考えられるからです。

みんなの霊性が開発し尽くされれば、過去に何があろうと、漏尽通や宿命通などの神通力で、事実、すなわち、真実は一つに特定されるから、争いは起こらない、と考えられるからです。

やはり、霊性の開発は必要だと思いますね。