前回( 656_ひしみー077 )の続きです。
ひろさんは、一般的に自然界が弱肉強食とされ、強者が弱者をやっつけ、あるいは滅ぼして、生き残り栄えるのは当たり前のようにするのは、俗流科学でありとんでもないものだ、としている(ように読み取れる)。
その理由として、例えばライオンなら強いライオンが弱いライオンをいじめるならば、ライオンという種が絶えてしまうから、自然界には競争は存在しない、という。
また、予想される反論として、犬や猫だって同種でケンカをするではないかとされるかもしれないが、犬や猫は家畜(ペット)なので自然界ではないから、そのケンカは競争ではなく、弱肉強食とは言えず(話をごっちゃにしないでほしいと書いてある)、同種間での争いとは言えないから、同種間での争いはないとしているように読み取れる。
しかし。
ペットではない自然界でも、同種間での争いはありますよ。
お猿さんならば、オスのボス争いがあり、完全な潰し合いにはならないまでも、メスとつがいになれない自らの固有の遺伝子を残せないという淘汰がある。
ライオンに至っては、オスのライオンの群れの巡っての争い(=奪取)があり、前任(?)のオスを駆逐して群れを奪取したオスは、前任のオスの子供を絶やしてしまう。自分の遺伝子を残す子供しか認めない。
駆逐されたオスは、力衰えやがて、そのまま滅びていくしかない。争いの時にすぐには滅びなくても、時間がかかり滅びる。争いの時に滅びる定めは決まるのです。だから、時間がかかるだけに過ぎない。のみならず、自分の遺伝子を宿した子供は絶やされてしまう。
これらは、明らかな同種間の淘汰であり、争いであり、潰し合いであり、強い者が弱い者をいじめる、駆逐する、弱肉強食の一種と言えるのではありませんか?
従って、同種間での争いはそれなりにあり、完全な潰し合いにまでならないから、弱肉強食にはならないという理屈は当たないのではありませんか?
ライオンについて言えば、同種間での争いは、争い時には決まらなくても、時間をかけて結果として決まる。
強者が弱者をいじめるのです(基本的にオス間とその遺伝子を残す子孫間で)。
時間がかかるのが、多種間の食い合いとは違うだけ。
だから、同種間には、絶対に弱肉強食がないとは言えない。
種が滅びない程度の時間をかけながらの弱肉強食が明らかにある。
見ようによっては、時間というさじ加減というか調整要素を残すことによって、種の絶滅を免れている、種を存続させている、と取ることができる訳です。
このように、動物は、異種間でも、同種間でも、程度の差はあれど、弱肉強食はあると言わざるを得ませんね。
ただ、異種間と同種間の弱肉強食での勝者の残し方が絶妙(?)で、同種なら時間をかけて完全な潰し合いを避ける形で、異種なら動物の生態系と周囲の動物を完全に崩さないという形(これはひいては動物を生かす自然の生態系との関係を崩さないという形につながる)で、それぞれに、それなりのバランスを取りながら同種を存続させ、異種の生態系の存続=共生をはかっている=共生の原理。
共生の原理は、動物全体の生態系の存続であると同時に、動物を生かす周囲の植物を含めた自然との共存をも含めた生態系の存続につながっている。
このように考えられるのではありませんか?
競争という争いに勝つことができない弱者は、時間がかかるか、かからないかにかかわらず、結果としてすべていじめられます。
残念ながら、そのようになっている。
自然界の動物は、同種にしろ、異種にしろ、摩訶不思議なバランスを取りながら、同種をあるいは異種を、それぞれに滅ぼさないように、存続させている(今のところ)。
弱肉強食はあっても、個別の種を、その個別が寄り集まった全体の生態系を、それぞれに崩さないようになっている。
如実知見と言うなら、この方が当たっているんじゃないかなあ。