おぶなより

世界平和の祈りに寄せて

729_ひしみー150

10 初めて法輪を転ず

・仏教教団におけるプロとアマ

前回 ( 728_ひしみー149 ) の続きです。

律蔵のマハーヴァッガは、かつての修行仲間である五比丘が、お釈迦さんの教導で、(おそらく数ヶ月で)悟りを開いて阿羅漢になってしばらくして後に、ヤシャというヴァーラーナシーの大資産家の息子が入信したと伝えている。

つまり、ヤシャは、はじめて仏教に入信した僧侶以外の在家の者ということになりますね。

ヤシャは、豪邸に住み、遊女(あそびめ)に囲まれて、贅沢きわまりない暮らしをしていた。

そうして遊び暮らしていたヤシャは、ある夜目覚めると、昼間は美しかったはずの彼女達が、ある者は化粧も剥げ落ち、またある者は髪を乱し、またある者はよだれを垂らして寝ていた姿を目の当たりにした。

ヤシャは、この有り様がショックだったのか、「まるで墓場だ」と感じて、衝動的に家を飛び出してしまった。

そうして彼は、鹿野苑の方向に「ああ、悩ましい、ああ、煩わしい」と呟きつつ、歩を進めて行った。

そこで、経行(きんひん。座禅中に眠気が生じるのを防ぐためのそぞろ歩き)をしていたお釈迦さんと出会い、「青年よ、ここに来て座るがよい。ここには悩みはない。ここには煩いはない」と声をかけられることになる。

そこで、お釈迦さんは、まず自らの教えを説くにあたっての基礎の基礎となる、教え=施しの訓話、戒めの訓話、生天の訓話、の 3 つの訓話を説いたとされている。

律蔵のマハーヴァッカでは、以下の通り(改変あり)。

「良家の子ヤサが一隅に座った時に、尊師(←お釈迦さん)は彼に順序次第に従った訓話を説かれた。
すなわち、施しの訓話、戒めの訓話、生天の訓話、諸々の欲望の患いと害悪と汚れ及び出離の優れた利益とを説かれた」

それから、お釈迦さんは、四諦の教えを説いたとされている。

ひろさんによると、これは地ならしだそうだ。

すなわち、仏教のアマチュアである彼に対して、いきなり仏教の教理・教学を説くことはできないから、仏教を教えるための準備としての基礎固め、ということらしい。

そして、ひろさんは、この節 (・アマチュアの青年への教導 ) では、施しの訓話、戒めの訓話、生天の訓話、(施論、戒論、生天論の三論というらしい)のうちの施論についてお書きになっているのだが・・・。

ちょっと、おかしいというか、違うんじゃないかなあ、これは・・・という話になってるんだなあ、これが。

次回以降に、それらのご紹介をしてその都度批判的に検討するか、一通り三論をご紹介した後の数回後に、まとめて批判的検討をするかは、まだ決めていません。

すみませんが、ということで、とりあえず、三論の戒論などは、次回以降とします。

ご了承願います。

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①追記: 2023/12/03 21:32
②追記: 2023/12/04 05:18
③追記: 2023/12/04 05:23
〜訂正内容〜

上記複数回にわたり、本文を加筆・訂正しました。