おぶなより

世界平和の祈りに寄せて

390_法悟28-12-1

第 2 週 人生苦と向き合う

5 100 % 純粋な人

ひたすら非難されるだけの者、
ひたすら褒(ほ)めそやされるだけの者は、
過去にもいなかったし、未来にもいないだろう。
現在にもいない。

(二二八) (第17章 怒り より)

もし賢者が日々絶え間なく検証した結果、
智慧と戒めを体得した完全たる人格者である」
と称賛するならば、

(二二九) (第17章 怒り より)

純金のごとき、
そのお方を誰が非難し得るだろうか。
神々も彼を称賛する。
梵天(ぼんてん)でさえも彼を称賛する。

(二三〇) (第17章 怒り より)

結局、何が言いたいんだろうね、これらの経文は、と個人的には思うけど、まあ、いいや。

また、適当にいきます。

過去にも、現在にも、未来にも、ただ非難されるだけの人や、ただ褒(ほ)めたたえられるだけの人はいない。

人間は完璧ではない。良いところ、悪いところがそれぞれにあり、どこから見ても悪いところだらけの人間など存在しない。

結局、非難されている人も、その人格や行いの一部分を非難されているだけであって、全面的に非難に値する人ではないのだ。

非難する側は、相手を全否定するつもりで攻撃するのだが、非難される側にも良いところはそれなりにあるのだから、気にすることはない。

これとは逆に、世間から自らのことを完璧に認めて欲しいと願う人もいるが、これもあり得ない。そんな無理な期待をすると、満たされることなく、かえって不幸になってしまう。

つまり、どんな人間も長短併せ持つということだ。人間は他人の嫌な面をとらえて非難するし、好きな人はその長所を殊更(ことさら)に褒めたりするものなのだ。その事実を私( S さんのこと)は理解してほしいのだ。

例えば、他人が自分の長所だけを、大層ほめてくれたとしても、悪い人間だと非難してくることがあったとしても、人間の一部分の長所や短所しかとらえて見ていないものだ、と落ち着いて、冷静になってほしいのだ。そうすると、人生はうまくいくものなのだ(?)。

誰もが非難される世の中で、非難されない人はいるのだろうか。理性がある人は厳密に調べるだろう。主観的ではなく、客観的にしっかりと(?)。きめ細かく子細(しさい)に調べても、短所を見いだせないならば、それは非難されない人だと言える。

ブッダ(お釈迦さんのこと)は「どうぞ私のことも調べてみて下さい」としたことがあった。「何か非難に値する性格があるかどうかを」と。

過去、実際にある青年バラモンがある先生に頼まれて、半年間にわたり、それこそ、1 日24 時間にわたって(?)、ブッダを徹底的に調べたことがあった。

そのバラモンの青年は、あらゆる学問に精通していたのみならず、特定のバラモンしか知らない三十二面相の人相学まで修得していた。仏教の経典に説かれている三十二面相は、元々は、バラモンの秘伝だったのである。

その彼が、ブッダを人相学でも観察したところ、ブッダは、100 点満点の人相だと判明したとのことだ。

しかし、彼は一流の知識人らしく、これだけでは気が済まなかったようで、さらに半年もブッダを調べた。

ブッダは、どのように話すか、どのように座るか、どのように衣を着るか、水をどう飲むか、どのように歩くか、弟子達の指導具合はどうか、夜はどう過ごすか、朝はいつ起きるか、と片っ端から 24 時間(?)調べ続けたのだ。

そうして、半年が過ぎて、彼は先生に報告をした。彼はこう言ったという。

「ついに三十二面をそなえた人物を発見しました。それだけではありません。歩まれる時の歩き方、座られる時の座り方、お話される時の話し方、お食事の時の食べ方、お袈裟(けさ)をまとわれる時の衣の着方、どこを見ても、心が完全無欠でない限り、あのような行儀作法はできるはずがありません」。

非難に値しないのは、こうした完全無欠の人物を言うのだ。

しかし、無知な人は、その偉大さがわからないから、調べることができるのは、賢者しかいない。

だから、世の中にある非難は、賢者が指摘している訳でもなければ、きちんと調べて言っている訳でもない、どうでもいい、いわば「レッテル貼り」でしかないのだ(?)。

しかし、賢者が日々慎重に調査して、完全無欠であると判定できた人物ならば、それは非難されない純度 100 % の金のような人格者だと判断していいだろう。

神々も梵天も彼を褒めたたえる。この世の中で、完全たる人格者を非難できる者は誰もいない(?)。

結局、非難に値しないのは、ブッダや阿羅漢(あらかん)の悟りを得た人格者のみであって、それ以外の人々が、世間や周囲の人々から非難されても、それほど気にすることでもないのである。

とのこと。

これが、以前、387_法悟28-10-2 の終わりに指摘したブッダ激賞のお話です。