おぶなより

世界平和の祈りに寄せて

498_仏言葉ー032 ー 怒りを断ち切る

第 2 章 人間関係に気疲れする

32.怒りの根にある毒

尊師(*1)いわく、ー
怒りを断ち切って、安らかに臥(ふ)す。
怒りを断ち切って、悲しまない。
その根は毒であり、
その頂きは甘味である怒りを滅ぼすことを、
聖者達は称賛する。
神よ。
それを断ち切ったならば、悲しむことがない。

(サンユッタ・ニカーヤ より)

佐々木さんによると、これは神との対話(前回( 497_仏言葉ー031 ー 進め方を正しく )の内容もそうだったのだが、佐々木さんの訳では、誰が神と話しているのわからない書き方になっている。上記は中村さんの訳。ここではわかりやすいように尊師から引用しておいた)に出てくる警鐘の句だそうだ。

ここでの甘味というのは、怒り(*2)によって、他人を苦しめたり、悲しめたりすることが、結果として、他人を組み敷く、自らが優位に立つという快感を覚える意味合いだろう。

しかし、これは、明らかに、真に悖り、善に悖り、美に悖る、神様の分霊を頂く他人を貶める業想念という、神様からみれば、間違った想いの毒なのである。

快楽や欲望の果ての充足感は、この業想念にまみれた肉体人間で構成されたこの世において、いまだ霊性の開発が十分でない人々を魅了しやすい。

しかし、この快楽や欲望への誘惑に打ち勝ち、欲望を御して、断ち切ることができたならば、人々は安楽の境地に誘われるであろう。

それは、聖者にも称賛されるべき境地に他ならない。

この経文は、そうした内容をあらわしていると思われる。

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(*1)お釈迦さんのこと。

(*2)中村さんの本の注釈によると、この怒りは、むらむらして燃え立つような怒りをいうとのこと。

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①追記: 2021/09/08 00:30
②追記: 2021/09/09 23:59
〜訂正内容〜

上記複数回にわたり、注釈及び表題を訂正しました。