おぶなより

世界平和の祈りに寄せて

507_仏言葉ー041 ー 欲望から離れて

第 3 章 自分が何のためにいるのかわからない

41.欲望に押し流されない

情欲に執着する人は、激流に沿って流される。
蜘蛛が自ら作った網に沿って動くように。
思慮ある人は、それを断ち切り、何も求めず
あらゆる苦しみをすてて歩む。

(三四七) (第24章 激しい愛着 より)

この経文についても、前回( 506_仏言葉ー040 ー 生き方について )と同様、今枝さんと中村さんの訳と、佐々木さんの訳で解釈が違っている。

今枝さんと中村さんは、情欲、愛欲と訳し、佐々木さんは貪欲として、ただの一般的な欲望のような解説をしている。

とりあえず、ここも、今枝さんと中村さんの解釈に従って、情欲、愛欲と解釈、そしてこれを典型例として、話を他に及ぼすのが妥当と考えられる。

なお、佐々木さんによると、欲望に染まると、その獲得のために自らの活動に制約を課すことで、人が本来持っているはずの自由さを失う意味合いに解釈している。

それを、蜘蛛が蜘蛛の巣の上しか歩けないことに例えた経文だとしている。

こうした、欲望や執着を断ち切り、(これらを断つことの)苦しみを捨てて歩む者を賢者と呼ぶのだそうだ。