おぶなより

世界平和の祈りに寄せて

521_仏言葉ー055 ー 生き方について

第 4 章 これから先がどうなるか不安

55.悪行は正しさにかなわない

素行(そこう)悪く、心乱れて
百年生きるよりは
素行優(すぐ)れ、心静かに
一日生きる方(ほう)がいい。

(ダンマパダ) (一一〇) (第08章 千という数にちなんで より) 

この経文は、
○○○で百年生きるよりも、
○○○しながら一日生きる方が優れている、
というダンマパダ(法句経)の定型表現の中の一句だそうだ。

この 第08章 千という数にちなんで では、残りの (一一一) から (一一五) まですべてこの形になっているのでご参考までに引用してみよう。

なお、この経文の直前の (一〇九) は、その形とは異なるので、これをも含めて、改めて、(一〇九) から (一一五) までを引用しよう(改変あり)。

礼節(れいせつ)を守り、常に年長者を敬(うやま)う人には
寿命と美しさ
楽しみと力
この四つが増大する。

(一〇九) (第08章 千という数にちなんで より)

素行悪く、心乱れて
百年生きるよりは
素行優れ、心静かに
一日生きる方(ほう)がいい。

(一一〇) (第08章 千という数にちなんで より)

愚かに、心乱れて
百年生きるよりは
賢く、心静かに
一日を生きる方がいい。

(一一一) (第08章 千という数にちなんで より)

怠(おこた)り怠(なま)けて、無気力に
百年生きるよりは
堅固(けんご)に、励(はげ)み努(つと)めて
一日生きる方がいい。

(一一二) (第08章 千という数にちなんで より)

物事の消滅の道理を知らずに
百年生きるよりも
物事の消滅の道理を知って
一日生きる方がいい。

(一一三) (第08章 千という数にちなんで より)

不死(=安らぎ)の境地を知らずに
百年生きるよりも
不死の境地を知って
一日生きる方がいい。

(一一四) (第08章 千という数にちなんで より)

最上の真理を知らずに
百年生きるよりも
最上の真理を知って
一日生きる方がいい。

(一一五) (第08章 千という数にちなんで より)

寿命に限りのある肉体人間の生き方、すなわち、人生の時間の有意義な過ごし方についてのお釈迦さんの考え方が垣間見える偈(げ。詩句。ここでは経文のこと)です。

この中でも、特に (一一〇) は、心乱して百年生きるよりも、正しく良い生き方=正しい想いと行いをして、心を清く保ち、修行に励むことを推奨した経文なんでしょうね。