526_仏言葉ー060 ー 悟った人
第 4 章 これから先がどうなるか不安
60.目覚めた人
あらゆる宇宙時期と輪廻と(生ある者の)生と死を二つながら思惟弁別して、塵を離れ、汚れなく、清らかで、生を滅ぼし尽くすに至った人、
ー彼を(目覚めた人)(ブッダ)という。
(スッタニパータ) (五一七)
これは、中村さんの訳なのだが、難解でよくわからない。
佐々木さんによると、宇宙時期(佐々木さんは宇宙のサイクルと訳している)は、転変し続けるこの世の有り様のことらしい。
塵を離れ、とは、塵を出(い)ず、のことだと思われる。塵を出ず、とは、俗世間を離れる、出家するという意味。
中村さんも、佐々木さんも、この言い回しについての何の説明もないので、こう推定するしかない。
前後関係からしても、この意味だと思われる。
そうすると、この経文は、
万物流転するこの世の有り様を観察して深く理解し、そこで展開される肉体人間の輪廻転生もよく理解して、俗世間から離れて、その想いと行いも汚れなく浄まりきって、煩悩も完全に断ち切り、神様のみ心に帰一した人を
ブッダと言っていることになる。
つまり、ブッダとは、悟りを開き、完全な安穏の境地である涅槃に至り、輪廻転生を卒業した人のことである。
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追記: 2021/09/17 00:05 〜訂正内容〜
本文を加筆・訂正しました。