591_ひしみー013
01 釈迦はいかなる存在か
・釈迦の教えは普遍的真理
前回( 590_ひしみー012 )は、お釈迦さんが、宇宙という絶対真理(ひろさんはこれを宇宙仏と名づける)から、我々人間世界にやって来たれし者だ、つまり、古代インド人や古代インドに発祥した仏教では、宇宙のあるがままが無秩序(?)でも、それがあるがままならいいではないか、お釈迦さんは、そのタタターというあるがままの混沌=宇宙という絶対真理が遣わした(?)者だ、だから、あるがまま=真如=如から来たのだから、如来だ、といった感じの話を展開していた。
やはり、・・・といった感じで、出てきましたよ、今回の表題。
だから「釈迦の教えは普遍的真理」だと。
個人的に言いたいことはあるのだが、それは後回しにして、とりあえず、ひろさんの言われていることを適当に見てみたい(適宜、改変・追補あり)。
ところで(?)、サンスクリット語(古代インド語)に、「ダルマ」という、漢訳仏典で「法」と訳される言葉がある。
この語は多義的で、厄介で説明に苦労するが、おおよそ次のように理解すればいいだろう。
このダルマは、インド思想一般、すなわち、バラモン教やヒンドゥー教では、「法則・規範・正義・本分」という意味で、複数形で使われる。
なぜならば、「正義」は複数なのだ。人々は正義を掲げて、その名の下に行動するが、これは度々、衝突を起こす。例えば、戦争のように。
法則や規範も一つではないし、法律はもっと不安定だ(変更されることが多い)。
複数形であることは、正しいものもあれば、間違ったものもあることを示している。
お釈迦さんの時代、インドにはバラモン教という後にヒンドゥー教となる民族宗教があった。このバラモン教には、人間を
2.支配階級(刹帝利。せつていり。クシャトリヤ)
3.庶民(吠舎。べいしゃ。ヴァイシヤ)
4.肉体労働者(首陀羅。しゅだら。シュードラ)
の 4 つに分ける四姓制度があり、これが後のヒンドゥー教のカースト制度となっている。
そのバラモン教においては、複数のダルマ=本分(としていいだろう)があった。本分とは、本来の努めのことで、尽くさなければならない義務のことだ。現代なら学生としての本分を尽くす、といった具合である。それがバラモン教では、知識人階級には知識人階級の本分があり、庶民には庶民の本分があり、というようになっていた。これがヒンドゥー教に引き継がれているのだ。
そして、ひろさんは、このようなダルマに異議を唱えたのが、お釈迦さんだ、としている。
知識人だろうと、支配階級だろうと、庶民だろうと、肉体労働者だろうと、本分は変わらない、生き方は違わないと捉えたのだ。
それらすべては、あくまでも人間であり、お釈迦さんは、人間は人間としての普遍的な生き方があると主張したのだ(とする)。
つまり、バラモン教・ヒンドゥー教が複数のダルマがあるとしたのに対し、お釈迦さんは、 1 つのダルマ、すなわち、普遍的な生き方があると教えたのだ(とする)。
そして、ひろさんは、以下のように言う。
バラモン教・ヒンドゥー教はインドの民族宗教だ。ここでのダルマは、あくまでもインド人にとっての真理なのだ。
これに対してお釈迦様さんが説いた仏教は、普遍宗教であり、世界宗教であり、民族の枠を超えた人間としての普遍的真理が説かれているのだ。
お釈迦さんは、その民族を問わない人間としての普遍的な真理を、ダルマとして私達に教示しているのだ、と。
そして、ひろさんは、小乗仏教のダルマと大乗仏教のダルマもまた違うのだとする。
小乗仏教は、あくまでも人間としてのお釈迦さんの仏陀観に立脚した教えであり、その人間=仏陀が普遍的真理を悟ったものに過ぎず、人間の次元における普遍的真理に過ぎない。すなわち、地球人が悟った真理であり、「地球的真理」である(なお、ひろさんは、バラモン教・ヒンドゥー教のダルマはインド的真理としている)。
それに対して、大乗仏教における仏陀は、宇宙の配達人(?)(メッセンジャー)として、この地球に来た仏だ。だから、お釈迦さんが説いたダルマは、宇宙のダルマであり、宇宙的真理であるのだ。
大乗仏教は、このように考えているのだ、従って、大乗仏教と小乗仏教とは、大きな差があるのだ、とひろさんは結論づけている。
このあとも、引き続き次の項目のひろさんの考え方を取り上げたいのだが、長くなったので、ここで区切らせて頂く。
ご了承下さい。
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(*)ひろさんによると、以下の通り。
バラモン教における知識人階級を、司祭者と説明される場合もある。知識人階級(バラモン)は確かに宗教活動に多くは従事するが、そればかりではなく、農業に従事する知識人階級(バラモン)もいたので、知識人階級とする方がよい。
といった次第で、ここは、知識人階級としておく。
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追記: 2022/08/09 07:38
〜訂正内容〜
本文を訂正しました。