おぶなより

世界平和の祈りに寄せて

598_ひしみー020

02 釈迦仏の誕生

・輪廻転生を信じているインド人

以下、ひろさんのお考えに対する私の意訳も含めて、できるだけ簡単にまとめたい。

ご了承頂きたい。

古代インド人は、生ある者は無限回の生死を繰り返すと考えていたそうで、それは現代のインド人にも引き継がれ、輪廻転生を心の奥底では信じているそうだ。

つまり、古代インド人も現代のインド人ともに、この世を輪廻転生の場所と考えた。

ゆえに、インド人にとっては、人生は 1 度きりではなく、人間やその他の生物として、様々な生まれ変わりを経験することになる。(*1)

我々日本人は、ちょっと賢しらぶって「人間、1 度死んだら 2 度死なぬ」などとほざいているが、インド人に言わせると「何を根拠にそんなことが言えるのか?!」となる訳で、彼らは来世にいかなる存在になるかが心配でたまらぬのである(この文章と以下の文章は、ほぼひろさんの原文のまま)。

だから、インドは犯罪の少ない国だ。どうも日本人はインドを誤解しているようだが、インドは世界でも有数の犯罪率の低い国である。(*2)

なぜ、犯罪率が少ないか?インドには大勢の乞食がいる。彼らは失う者がない。だから、泥棒をして刑務所に入れば食事が保証される。

しかし、彼らは泥棒をしない。

それは、彼らが、この世で生きるのはせいぜい 50 年か 100 年。その 50 年、100 年ばかりのために罪を犯せば、来世以降は何万年にもわたる地獄の苦しみを味わわねばならぬ。それじゃあ、ペイしない。損得勘定が合わぬのである。

だから、彼らはこの世で真面目に乞食をやって生きようとするのだ。犯罪に走る者が少なくなる。それがインド人の論理である。

そのように、インド人は輪廻転生を信じ込んでいるのである。

とのことだが・・・。

これは要するに、唯物論の打算の話ですね。

インド人は、おそらく古い古い時代から、人々の間に輪廻転生を信じ込むような教えや言い伝えなどがあって、インドの人々の潜在意識の中には脈々と輪廻転生の事実が植えつけられてきた。

いくら来世以降には、原則として過去世の記憶が消されていて、何の誰がしとして生まれて何もかもわからない、
つまり、
過去世で何をしでかしていたかがまったくわからない、
従って、これからの人生で何が起きてくるかまったくわからないにしても、
ペナルティーとしての苦しい思い、嫌な思いをするのだけは絶対に嫌だ。

こうした、将来の、すなわち、この場合は、来世以降の罰則や償いだけは、忌避したくて、輪廻転生という仕組みが潜在意識にあることで、抑制効果が働いているから、インド人は犯罪に走らない、と言っている訳ですね。

だから、インド人は輪廻転生という仕組みを信じている、と。

でもねえ、前にも書いたことがあるけど、これでは足りませんよ。

やられたくないからやるな、という理屈ですよね、これは。

つまり、肉体人間として新たにそなわった自己保存の本能に根ざした、そのままの動機です。

そうではなくて、可能な限り霊性を開発して、肉体人間の本来の姿、本質の姿として、神様の分け命の姿として、真善美に悖る想いと行いの業想念は、そもそも、ふさわしくないものとして、しないこと。

つまり、自然にこのような状態にならなければ、霊性の開発としては、まだまだ不十分だ、ということです。

~~~~~

(*1)ひろさんは、人間以外の生まれ変わりの対象を、蚊やハエ、牛や馬、などとしているが、これはない。

肉体人間は、肉体人間以外には生まれ変わらない。

ただし、肉体要素を構成する、霊魂魄のうちの、魂魄の魄(ぱく)要素が肉体人間と部分的に同じものが使われることがあり、そうした痕跡が残る場合があるために、肉体人間は動物に生まれ変わる、あるいは、動物が肉体人間に生まれ変わると思われているのだろう。

(*2)ひろさんは、インドが犯罪率の低い世界有数の国だとしているが、本当かな?

日本にいる、あるいは日本に親しみを感じてくれているらしいユーチューバーさんもおられることだし、ここでそうした方々の母国も含めて、一つの犯罪率の統計を抜粋したい。

Numbeo という犯罪率に関する世界データベースによるものをいくつか見てみる(他にも統計があり、多少の順位の変動やバラツキがあるが、一番はじめに検索で出てきたのがこれだったので、これで間に合わせることにする。ご了承頂きたい)。

国別犯罪指数 2021 年 半ば

001 ベネズエラ     83.76
002 パプアニューギニア 80.79
003 南アフリカ     76.86

044 フランス      51.99

056 アメリカ      47.81

064.イギリス      46.07

069.イタリア      44.85

071 インド       44.43

086 ロシア       39.99

096.ドイツ       35.79

109.中国        30.14

112.キューバ      28.33

117.韓国        26.68

130.日本        22.19

135.台湾        15.46
136.アラブ首長国連邦  15.23
137.カタール      12.13

なお、カタールは、2017 年から 3 年連続で安全指数が 1 位になっている。
1 年前に、 3 位だった日本は今回はスイスに次いで、10 位だったとのこと。

犯罪率を単純に 100 から差し引いて、安全指数になってはいないようなので、詳しくはよくわからないが、1 つわかることは、ひろさんの言われるように、果たしてインドが世界有数の犯罪率の低い国と言えるのか、ということ。

この統計だけを見る限り、どうもそうとは思えないのだが。

日本を好いていて下さるユーチューバーさんがいて下さる安全性ピカ一のはずの日本は、残念ながら上記のようになっている。

まあ、データの信憑性はよくわからないけど・・・。

なお、鈴木傾城著 ブラックアジアインド番外編 絶対貧困の光景 夢見ることを許されない女たち (ラピュータブックス) という本がある。

これには、インドの厳しい社会情勢が描かれている。これを読むと、犯罪率が少ないと言えるのか、買春や売春はどうなのか、やむを得ずといってもやはりマズイのではないか、と思えてしまうのだが。

インドは、かなりの格差社会のようですよ。

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①追記: 2021/11/20 12:25
②追記: 2021/11/22 22:17
③追記: 2021/11/22 22:20

〜訂正内容〜

上記複数回にわたり、本文を加筆・訂正しました。