04 シッダールタ太子の問題意識
・初めての禅定
適当にいきます。
以下に扱うすべてのお話は、多分、ほとんど伝説で、これに関してひろさんは、一々、伝説か否か何のかんのと書いているが、面倒くさいのですべて割愛する。
なので、話を進めるための材料としての事実をある程度含んでいるかもしれない伝説、といった認識とする。
以下は、すべてこのようにするし、適宜、私の判断で、意訳や改変や省略もするので、適当にいくと書いた。
さて。
釈迦国は農業国であり、その民は稲作民族であった。
毎年春に行われる農耕祭は農業国では重要な儀式で大勢の婆羅門達が招かれ、祝詞を唱えて豊穣を祈る。
その後に、農夫が牛に犂(すき)を引かせて土地を耕した。
12 才だったお釈迦さんは、初めて式典に列席した。
その時、ある出来事が起こる。
農夫が掘り起こした土の中から虫が出た。
→どこからか小鳥がやって来て、虫を咥えて飛び去る。
→さらに、猛禽類がその小鳥を捕まえる。
→猛禽類は空の彼方(かなた)へと飛び去る。
わずかの時間での出来事であった。
居合わせた人々は「わあーっ」と声をあげた。
面白い光景だと思ったからだ。
しかし、シッダールタ少年は違った。
「むごい。おぞましい」と退席したそうだ。
そして、少し離れた林に行き、大樹の下で座禅を組んだ。
これが、シッダールタ少年(お釈迦さん)の初めての禅定とされる。
数刻の後、シッダールタ少年の不在に気づいた彼の父親の浄飯王はじめ、皆がシッダールタ少年を探し回る。
林の中にいると聞いた浄飯王は、自ら林におもむく。
そして、わが子を見つけたのだが、そこには奇蹟が起きていた。
大樹で作られる影が太陽の角度に合わせて動かずに、彼を日差しから防ぐように動かなかったらしいのだ。
だから、奇蹟(奇跡も同じ。蹟は常用漢字表にない漢字)だ、とのこと。
それを目の当たりにした父親の浄飯王は、思わずわが子を合掌して拝んだとのこと。
この奇蹟をどのようにお感じになるかは、読まれた方次第です。
~~~~~
・祝詞~のりと~神事で神に奏上する古体の文章。
・豊穣~ほうじょう~穀物などが豊かにみのること。また、そのさま。豊作。
(用例)五穀豊穣。豊穣の秋。