おぶなより

世界平和の祈りに寄せて

661_ひしみー082

今回から、生・老・病・死についての話になります。

第 5 章( 05 人間の内側にある老・病・死 )( 623_ひしみー045 ~ 628_ひしみー050 )

ひろさんは、先の A と併せて、もう 1 つ出家にまつわる伝説も絡(から)めておきたいらしい。

まあ、一般的にはこれがお釈迦さんの出家として、持ち出されやすい話なのかもしれない。

それが四門出遊である。

四門出遊に絡(から)めて、老・病・死の問題に、自ら(=お釈迦さんのこと)に解答を求めての出家して沙門ガウタマになるということにしたいようだ。

これについて、大まかに見ていくことにする。

勝手きわまる感想を言わせてもらえば。

四門出遊の話は、何か話それ自体が(生・)老・病・死にそってきれいにうまくはまり過ぎている、出来過ぎている、まとまり過ぎている、いかにも、伝説向き、といった感じを受けるんですよね。

ましてや、ひろさんのように、ごく自然に数日間の間をおくことなく、一般的に言われるように伝説通りにたった 1 日の出来事としてまとめてしまうと余計に。(ひろさんは、・・・かくして、自己にも肉体人間として避けられない老いを自覚したシッダールタ太子は、たちまち遊楽の心を失い宮殿に戻る。父親の浄飯王は心配して再度の遊楽をすすめた。伝説はこれらの出来事を 1 日のうちにまとめているが、無理に 1 日の出来事とする必要はない。私達は、数日の後、としておこう、としている(大幅な改変・省略あり)。なので、私もひろさんのお考えに従って書いた)。

何だか 30 才前後の若きに出家をして、先を急がせるために、無理に 1 日内に話をまとめてしまっているような感じがします。

それはともかく。

四門出遊は、肉体人間としてこの世に生を受けた以上、誰しもが必ず通る(であろう)道を、門から出くわした人々によって思い知らされた話のようになっている。

自らの記憶にはないような生後数日で、すぐに生みの母親と死に別れて(個人的にはこれがかなり彼の物思いに耽(ふけ)りやすい性格に影響しているように思われる)、物思いに耽りやすいシッダールタ太子(お釈迦さん)には、このあまりにも出来すぎた偶然の鉢合わせは、余計に示唆に富み、肉体人間としてのはかなさや、憂いを感じて出家の動機の後押しとなったと思われる。

これが世界中のありとあらゆる人々に、人生に悩みや苦しみをもたらす、普遍的な問題となる、自分はいずれは人々のためにこの普遍的問題に解決を与えるんだ、と直覚して出家したというよりも、
どちらかというと、
自らにも降りかかる問題として、それを深く掘り下げたい、何かの解決策を見出だしたい、と何となしげ(?)に出家した感じが強いような気がしますね。

やはり、守護の神霊さんに自然にこのような形に導かれたととらえた方が、無理がないような気がします。

そして、出家した要因の主なところを示すような形になっている。

個人的には、このように考えます。

一般的には、お釈迦さんに出家を決意させた出来事として、

1.樹下観耕(じゅかかんこう。先の食物連鎖の話。一般的には弱肉強食とされる)
2.四門出遊(しもんしゅつゆう)
3.歓楽による厭世感(*)

とされるのが普通みたいだが、どうも話を通して読んでいても、「これだ!」という強烈な動機が突出しているというよりも、この世をはかなむための理由が満遍なく網羅されているような感じを受けるんですよね。

独断と偏見ですみませんけど。

まあ、とにかく、
私達肉体人間は、
悟りを開けない限りは、
一般的に肉体にまつわる五感にもとづく欲望に固執せざるを得ない性癖をもつこと、
人間=肉体人間であるという肉体人間観が抜きがたくあることから、
四門出遊が、最も重きを置かれるものと、考えることができるでしょうね。

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(*)シッダールタ太子は、浄飯王(父親)に出家を 3 回願い出ているが、許されなかった。
その代わりに与えられたのは、側妻(そばめ)と歓楽。
彼女達のあられもない寝姿を見たシッダールタ太子は、厭世感を募らせ、出家に至る、のようにされている。

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・耽る~ふける~ある事に熱中する。深く心を奪われる。没頭する。おぼれる。
(用例)読書に耽る。物思いに耽る。

・遊楽~ゆうらく~遊び楽しむこと。遊びに出かけること。
(用例)遊楽の旅。

・厭世~えんせい~生きることへの価値を見出せず、生きる希望を失ってこの世が嫌になること。←→楽天
(用例)厭世詩人。

固執~こしつ~かたく自説を主張して曲げないこと。こしつはこしゅうの慣用読み。
(用例)自分の立場に固執する。

・性癖~せいへき~性質の中でのかたより。主として悪い癖。
(用例)変わった性癖がある。

・側妻~そばめ~本妻以外の妻。めかけ。

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①追記: 2022/01/23 15:43
②追記: 2022/01/23 15:59
〜訂正内容〜

上記複数回にわたり、本文と注釈を加筆・訂正しました。すみません。