おぶなより

世界平和の祈りに寄せて

640_ひしみー061

06 「出世間(しゅっせけん)」をした沙門(しゃもん)ガウタマ

・政治からの誘惑を受けた釈迦

前回までが、イエスさんの政治とのかかわり、すなわち、イエスさんが政治からの誘いにどのように対処したかの話。

で、今回からは、お釈迦さんの話。

ひろさんは、お釈迦さんとイエスさんを比較したいとのこと。

お釈迦さんは、マガダ国の国王、ビンビサーラ王からの政治への誘いを受ける。

これは同時のインド随一の大国のマガダ国の王、ビンビサーラ王が、立派な風貌に魅せられた(?)とはいえ、一介の風来坊とも言えるホームレスに当たるお釈迦さんを、一躍、大企業の重役に破格の厚遇で誘うという内容だった。

ビンビサーラ王が、お釈迦さんに還俗(げんぞく)して、自分の国への仕官をするように申し出た話だ。( 632_ひしみー054 )。

ひろさんは、この政治への誘いは、イエスさんへの政治への誘いより、ずっと重い、とお考えのようだ。

というのも、お釈迦さんは、元々が国王の息子という政治家の出身であるから(イエスさんは大工さんの子供らしい)、彼が大企業の重役に匹敵(ひってき)するとも言える、マガダ国の大臣にでもなれば、その立場により得られる裁量を生かして、その腕を思う存分にふるい、飢えに苦しみ、パンを求め泣き叫ぶ者に、いとも容易(たやす)くパンを与えることができることを意味するからのようだ。

それにもかかわらず、お釈迦さんは、ビンビサーラ王の誘いを断った。

ひろさんは、次のように書いている(改変あり)。

なぜか?
理由は明白である。
彼(=お釈迦さん)は政治に関心がなかったからだ。
と言うより、彼の問題意識は、政治的に解決できるものではなかったからだ。

政治に関しては、釈迦もイエスも軌を一にしている。
すなわち、 2 人とも政治に関心を持たぬ、反政治の思想家、アナキズムの思想家である。

としてあるのだが・・・。

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・風貌~ふうぼう~風采と容貌。身なりや顔形の様子。
(用例)異様な風貌。堂々たる風貌。

・風采~ふうさい~見かけの姿。容貌や身なりの様子。

・風采が上(あ)がらない~外見がぱっとしない。

・容貌~ようぼう~顔形。見目形(みめかたち)。
(用例)容貌魁偉

・魁偉~かいい~顔がいかめしく、体が大きくてたくましいこと。また、そのさま。
(用例)容貌魁偉

・いかめしい~威圧感を与えるような威厳がある。おもおもしい。
(用例)いかめしい門構え。

・風来坊~ふうらいぼう~風のようにどこからともなくやって来た人。また、気まぐれで一つ所に落ち着かない人。

・厚遇~こうぐう~心を込めて手厚くもてなすこと。よい待遇をすること。優遇。
(用例)厚遇を受ける。
厚遇←→冷遇・薄遇。

・匹敵~ひってき~力が同じくらいの競争相手であること。肩を並べること。
(用例)彼に匹敵する者はいない。

・軌を一にする~(軌(=わだち)を同じくする意から)やり方が同じである。

・轍~わだち~車が通ったあとに残る、車輪の跡。

アナキズムアナーキズム無政府主義

無政府主義~むせいふしゅぎ~すべての権力を否定し、政府を全廃して、個人の絶対的自由の行われる社会を打ち立てようとする主義。アナーキズム
(用例)無政府主義者