おぶなより

世界平和の祈りに寄せて

031_幻

歯医者さんに行った時のことです。

受付に、メガネをかけたかなりの美人さんがいました。

受付業務も先生の治療のお手伝いや各種処置もなさっていたので、歯科衛生士か歯科技工士か、歯科助手の方なのでしょう(もしくは、若いから新米の見習い女医さんかな?)。

その人には、以前治療に行った時にもお見かけしたので、今回の治療で再びお会いしたことになります。

数回目の通院の受付時、彼女が素顔だったので、アレ?とは感じたけれど、やはり際立って美しいし、間違いなく彼女だ、コンタクトにしたのかな?と思いました。

でも、帰り際でまたメガネをかけていたので、あ、外してただけなんだな、とわかりました。

ここから先は、私の誇大妄想です。

お見苦しいこともあるとは思いますが、お許し願います。

もしかしたら・・・。

何回か通院して、色々なやり取りや態度から、私のことを悪い人間ではないとわかり、性格的に憎からず思って、素顔を見せて下さったのかもしれない、と。

悪くとると・・・。

どう?私の素顔はこんなに美しいのよ、あなたは、私を見て何も感じないの?、と。

感じましたとも!

貴女は、確かに素晴らしい。

麗しくさえありました。

なぜなら、弾けるような若さとちょっとしたかわいさを魅力とするアイドル的な美しさではなかったからです(年齢も20代半ばかな?)。

なので、よくアイドルさんにあるように、どう?私かわいいでしょ?かわいいと思いませんか?的な媚も全くいらない。

それは彼女にとっ挟雑物(きょうざつぶつ)にしかなりません。

何もせずとも、そこはかとなく漂う上品さと、美しさを感じさせる佇(たたず)まいがあったんです。

デパートの売り場での水準の高い美女店員に見るような、かなりの手間暇をかけたであろう化粧っ気さえも全く感じない。

(多分、ほとんど)素のままで、本当に美しい。

各部位全体が高い水準で整い、しかも知性や気品があるんです。

かといって、外人さんのように、とんがり過ぎたところもない。

穏やかに、しかも全体の水準がかなり高いんです。

見た時の印象を一言で表せば・・・。

わぁー、高級美人だな、と。

見た瞬間、アレ?と感じたあと、確か数秒だったと思うけど(すぐに呼ばれて治療台に行ってしまったので)、微かにパァーと透明な美しい光が放たれていて、彼女がその光に包まれていているような感じがしました。

まるで、天使の絵に出てくるような、あんな感じです。

ちょっと、異次元体験をしたというか、そんな時間でした。

私には霊感は殆どないので、おそらく、彼女の美しさで不思議な錯覚をしたのだと思います。(*1)

ただ、ほんの僅かですが、知性に欠けたり、たとえ教養がなくとも適宜状況に応じた判断能力や対処能力がないとバカにされそうな気がしました。

かなり知性的で賢明に見える美しさのためか、僅かな一抹の厳しさがあるような気がしてしまったのです(これも勝手な妄想なんですが)。

情けないことに、私は臆病風に吹かれ、彼女のあまりの美しさに恐れをなし、完全に畏縮(いしゅく)(*2)してしまったのです。

S先生のように優秀で、治療の腕も一級品、しかも、人格まで素晴らしい人なら、声をかけたり、見つめることを許されるのかもしれない。

ですが、私ごときでは、見つめることさえ許されない、絶対に粗相(そそう)(*3)があってはならないぞ、見たくても見ちゃいけないんだ、あくまでも何事もなかったように普通に振る舞い、内心の動揺をおくびにも出してはならぬ、と自分に言い聞かせて、何とかやり過ごせたと思いました。

本当はもっと見ていたかったし、見つめたかったし、話もしたかった。

たったそれだけのことで、永久に終わりになったとしても、自分にとっては、どんなに嬉しく楽しい思い出になったことだろう・・・。

しかし、身の程をわきまえ、涙を飲んで自制しました。

彼女から見れば、何も気づかない、ただの愚鈍でつまらない男としか映らないように演じて・・・。

ああ、哀しかったなあ・・・。

これで良かったんだ、とはわかっていても。

しかし・・・。

自然の景色も、音楽も、美しいものは本当に心地いいし、感動することもある。

哀しい思いもしたけれど、美しい人に出会えたことは、なんて嬉しいことなんだろう、ありがたいな、いいものだな、と思わされました。

たとえ、ほんの僅かな時間でも。

錯覚だと思うけど、不思議で高貴な光に包まれた、美しい人を見せてもらいましたから。

心理学関連の読み物で、美男美女のハロー(後光)効果云々という内容がありますが、これこそ、存在すれば、目に見える本物の後光(彼女の場合は、光輪の方が表現としては適切に思えた)なんだろうな、と。

観音像に描かれているあれほどの放射はなかったけれど、彼女全体の回りが三回りくらい、柔らかい光に包まれていました。

生きていれば、こうした機会が巡ってくることもあるんですね。

人間があらゆる美しいものに対して、快いと感じたり、好ましいと思うのは、逆らうことができない性(さが)なんでしょうか。

もし、神様に教えて頂けるなら、是非とも知りたいと思いました。

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(*1)後で、あれは何だったんだろう?、錯覚か神秘現象か、と色々と思いを巡らせたのですが、やっぱり、どうしてもわからない。

思い付いたのは、三つでした。

一つ目は、彼女は霊光を発していた可能性です。

私は霊性が低く、想念と行為が共に汚れているのでダメですが、普通の人なら世界平和の祈りをすると光に包まれて見える場合があるらしい。

これと同様に、何らかの形で、普段霊性の高い彼女から出ていた霊光が、あの時だけ、たまたま私に見えた可能性です。

二つ目は、彼女の守護霊さんかどうかわかりませんが、霊格の違い、次元の違いを私に悟らせて、彼女に近づかないように、敢えてあの光を見せて下さった可能性です。

つまり、こういうことです。

あなたは絶対に変な気(声をかけよう、お近づきになろう)を起こしてはなりませんよ、この人はあなたとは別世界の人なのですよ、と。

実際、普段トロい私が、間髪(かんぱつ)を入れず、こりゃいかん!とすぐに反応できて、自分を律することができた訳ですから。

三つ目は、単なる勘違い、錯覚、幻覚の可能性です。

ただ、穏やかで心地よい、美しいフワッとしたような光を見たのは、後にも先にも、あの時ただ一度きりです。

元々、霊感も殆どないし、あれ以外の幾つかの霊的な経験(残念ながらあまり感じのいいものではありません)とは全く異質で、高級というか高貴な感じのするものでした。

まあ、美しさが滲(にじ)み出る彼女の雰囲気から感じたのか、それとも、その光から感じたのかは、わかりませんけれども。

(*2)畏れや不安などのために極度に緊張し、思うような言動ができなくなること。

(*3)不注意やそそっかしさのために、ちょっとした過ちを犯すこと。

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①追記: 2024/03/24 18:21
②追記: 2024/03/24 18:24
〜訂正内容〜

上記複数回にわたり、本文を加筆・訂正しました。