おぶなより

世界平和の祈りに寄せて

565_仏言葉ー097 ー 愛欲について

第 6 章 心が晴れるためには

97.愛欲は身を滅ぼす

果実が熟したならば、
尖端は甘美であるが、
喜んで味わってみると辛い。
愛欲は愚かなる者をどもを焼き尽くす。
ーたいまつを離さない人の手を、
たいまつが焼くように。

(ウダーナヴァルカ)

売れた果実の味について、中村さんの訳は辛いとなっているが、佐々木さんの訳では苦いとなっている。

佐々木さんによると、これは愛欲に執着することの恐ろしさを語った句(経文)だそうだ。

熟した果実のように食べ始めは甘美でも、味わうにしたがって苦くなるというたとえらしく、甘美な愛欲に執着する愚か者は、その愛欲によっていつかは必ず身を滅ぼす、という意味なのだそうだが・・・。

まあ、教科書的というか、概念的というか、あまりにも表面的な文言過ぎて、具体的な運用基準がわからないですよ、これでは、まったくと言っていいほどに。

各自の常識的な判断に任せるということなのですか。

個人的に言わせてもらうと、愛欲の認められる範囲はどこまでなのか、執着するとは、具体的にどの程度を言っているのか、自慰行為(オナニー)についてはどうなのか、が漠然とし過ぎていて、まったくわかりません。

各自の裁量に任せる、と言いたいのかもしれませんが、普通の女性との性交渉のみならず、派生した様々な種類が考えられます。

常識的に考えたとして、配偶者以外の性交渉は禁止ということをはじめとして、もっと詳しく説明してもらわないとわかりません。

現代なら、とりあえずは、ヤリチン、ヤリマン、金に飽(あ)かして女性と性交渉するパパ活のパパ、貞操観念が著しく低く、結婚までにも、結婚後も、不特定人数の性交渉をやめられない人、といった人達が愛欲に執着する人達ということになると考えられます。

この経文に従えば、こうした人達は、身を滅ぼすということになりますが、では具体的にはどのような未来が待ち受けているのか、今生中か、来世以降なのか、などまったく具体性に欠けてわかりはしません。

霊性がかなり開発された人なら、自然に適用範囲もわかり、羽目を外すことはまずないでしょうが、そうでない、多くの人達はどうしたらいいんですか。

このくらいならいいや、ちょっとだけさ、と簡単に羽目を外すことくらいあるのではありませんか。

私は以前、愛欲に執着する人達が、どのようになるかについて、試みに書いたことがあります( 529_仏言葉ー063 ー 神様の世界は厳しい )が、ああした大枠もまったく不明で、ただ、厳しい報いがあるぞ、だけでは現代人には通じにくいのではないですか。

ハッキリ言ってしまえば、まったく通じないでしょう。

529_仏言葉ー063 ー 神様の世界は厳しい
63.欲望は罠を張る
で取り上げた経文

愛欲の享楽に執著し、
愛欲を貪って、
迷っている人々は、
道を外れるのに気づかない。
鹿が罠にかけられても(気づかぬ)ようなものである。
後に彼らには苦渋がある。
その報いは悪い。
(サンユッタ・ニカーヤ)

今回( 565_仏言葉ー097 ー 愛欲について )
97.愛欲は身を滅ぼす
で取り上げた経文

果実が熟したならば、
尖端は甘美であるが、
喜んで味わってみると辛い。
愛欲は愚かなる者をどもを焼き尽くす。
ーたいまつを離さない人の手を、
たいまつが焼くように。
(ウダーナヴァルカ)

こうした経文をヤリチン、ヤリマン、金に飽かして女性と性交渉するパパ活のパパ、浮気、不倫その他がやめられない人達に見せても、おそらく、100 人中、99 人までの人が、いや、もしかしたら、それ以上にまったく心に響かない、実効がないのではないだろうか。

お釈迦さんのお言葉だよ、と聞かされても、はじめはギクッとして、ちょっと戸惑うかもしれない(?)けれど、結局は何事もなかったかのようにやり過ごす(スルーしてしまう)のではないだろうか。

佐々木さんや一般的な上品な学者さんの解説にしても然り。

ああした、漫然な外の外をなぞるような解説では、おそらく、実効はないでしょう。

やはり、輪廻転生を通した魂の学習しかないのか・・・。

残念だけど。

話を戻すと。

各自の裁量に任せる、運用基準に任せる、というのでは、霊性が開発されていないと、どうしても、自らに甘くなりがちになると思うのですよ。

だから、せめて報いの具体的内容に迫る手がかりだけでも、書いておいてほしいと思いました。

あまりハッキリ書いてしまうと、当人に不安や恐れを抱かせる危険があるので、それでこのようになっている。

仕方のないことなんだ、と言われてしまえば、それまでですけれど。

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追記: 2021/09/30 23:23 〜訂正内容〜

本文を加筆・訂正しました。