01 釈迦はいかなる存在か
・仏陀と阿羅漢の違い
これも簡単にまとめる(改変あり)。
阿羅漢は、信者から尊敬され供養を受ける資格を持つ聖者で、出家修行者として厳格な戒律を守らなければならない。
戒律はきわめて厳しく在家信者には守ることはできない(金銭の不所持などがある)ので、在家信者は阿羅漢になることはできず、救われの対象とはならなくなってしまう。
救われるのは、ごく少数の出家修行者である、いわば、エリートのみとなるので、大乗仏教の人々はこの点を批判して、既存の仏教を小乗仏教と呼んだ。
お釈迦さんの在世時から大乗仏教が興(おこ)る以前までは、阿羅漢と仏陀は、ほとんど区別なく使われていて、お釈迦さんも阿羅漢の一人とされていた。
しかし、大乗仏教になると、お釈迦さんの位置付けが変わる。
お釈迦さんとお弟子さんには、明確な境界がひかれ、お釈迦さんだけが仏または仏陀、お弟子さんの内、悟りを開いた者が阿羅漢となった。
仏または仏陀は、阿羅漢よりもはるかに高い境地に達した聖者とされるのである。
従って、私達は、仏または仏陀になることはできないことになる。
これは、先に取り上げた、特別な存在として描かれたお釈迦さんの伝記とつながっていますね。
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①追記: 2021/11/05 00:03
②追記: 2021/11/05 00:30
〜訂正内容〜
上記複数回にわたり、本文を加筆・訂正しました。